子どもを欲しがるのも、不妊の原因もすべて義母を通して伝えられる

冷戦状態が半月ほど続いた時に義母の介入があり、子作りをせざるを得ない状況になったそう。

「義母から電話があって2人でご飯を食べることになり、自分がいかに子どもができなかったかを切々と語られました。夫が義母に子作りで揉めたことをリークしていたんですよ。夫婦の問題なのに、夫に対しては、最低のことをしたと思いましたね。でも、私も一生子どもがいらないと思っていたわけじゃなかったので、夫側の意見に折れて、その後夫婦で話し合って子作りを始めました」

その後もなかなか授からないこともあり、不妊治療をすることに。結果、仕事を辞めてまで専念したそうですが、原因は夫側にあったとか。

「自然妊娠を望んでいたんですが2年経っても授からなくて……。最初は私だけ検査に行って、不妊治療を始めました。不妊治療を始めると仕事との両立が難しくて、辞めることにしたんです。最初に不妊治療を始めた時には検査を拒否していた夫ですが、なかなか授からないことでやっと検査に行ってくれて、そこで夫側に原因が見つかりました。それで夫は傷ついたんでしょう。私は子どもを諦めることも仕方ないと思っていたんですが、その後に義母から連絡があり、涙ながらに謝られました。義母が謝る必要はないと思います。私とは話し合いを避けてふさぎ込んでいる様子なのに、こんなことまで義母に相談するんだと一気に血の気が引いたのを覚えています」

今も離婚することなく夫婦2人で生活を続けていると言いますが、今は新たな意見の食い違いに悩んでいるとのこと。

「不妊治療が終わって、私は仕事復帰をするつもりだったんですが、夫がそれを許してくれませんでした。『2人だからこそもっと時間を共有したい』という建前を言いますが、本音は家事をもっとやってほしいだけ。また後ろ盾になっている義母からは刺繍や料理などを一緒にやろうと強要されている状態です。興味の持てないことを続けさせてまで作る夫婦の時間って何なんでしょうか。こんなご時世だからこそ私はまた働きたいと思っているのに。今実は仕事復帰に向けて計画中で、それが原因で離婚となっても仕方ないと思っています」

取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。

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