日常の時を刻む腕時計。人生後半の相棒には一流品を選びたい。世界に誇る技術のみならず、伝統工芸を取り入れた日本の腕時計は、身に着ければ愛情もわく宝物となるだろう。

カシオ『OCEANUS(オシアナス) OCW-S5000EK』25万3000円
充電システム(タフソーラーTM)、電波受信機能、スマートフォン連動による時刻修正機能搭載。10気圧防水。ケース・ブレスレット素材:チタニウム、ケースサイズ:外寸縦48.8×横42.3×厚み9.3mm、重さ82g。
問い合わせ先/カシオ計算機 お客様相談室 電話:03・5334・4869(時計専用)

江戸切子の職人が丹念にカットしたベゼルを設える“ソーラー電波腕時計”

カシオ計算機(以下、カシオ)から耐衝撃腕時計『G-SHOCK(ジ ーショック)』(下写真)が登場したのは1983年4月。それまで、精密機器であるため慎重な取り扱いが必要と認識されていた腕時計の常識を覆して、壊れにくい“タフ”な腕時計という新しい価値を打ち出したのだ。過酷な現場に出動する消防士などから評価されたり、スケートボードやキャンプなどを楽しむ若い世代など、その人気は幅広い層に行き渡った。

200を超える試作を繰り返し完成したカシオ独自の耐衝撃構造。1983年に発表された『G-SHOCK』は、日本のみならず世界中で人気の時計ブランドとなった。

「私たちには常に“0から1を生み出す”という理念があります。『G-SHOCK』がそうであったように、今までなかったものを作る。それを必要とする人に愛用してもらえる製品を作りたい。そういう想いで開発を続けています」

と語るのはカシオ・企画開発統轄部リーダー佐藤貴康さん(37歳)。

1946年に顕微鏡の部品や歯車などの下請け工場として始まったカシオの歴史。創業メンバー樫尾忠雄氏の弟で技術者であった樫尾俊雄氏が経営に参加し、ユニークな発明でヒット商品を生み出していく。そんな“発明の精神”はその後も受け継がれ、電卓、電子辞書、電子楽器、そして腕時計と、人々に愛用されるカシオ製品は枚挙にいとまがない。

カシオが腕時計で目指したのは、手にした人がいつも快適に使えること。そのために数々の開発と改良が重ねられてきた。例えば、2001年に発表した『WVA-300』は“ソーラー電波時計”。時刻情報をのせた標準電波を受信することにより自動的に時計の誤差を修正。つまり、着ける人が自ら時刻合わせをしなくても正しい時刻を知ることができるほか、太陽電池による充電で電池切れを心配することなく駆動。定期的な電池交換の手間がかからないといった利便性を追求した時計だ。

旅心を誘う機能とデザイン

2004年に誕生した『OCEANUS(オシアナス)』は、美しい金属製のケースにクロノグラフ(※ストップウォッチなどを備える多機能時計)機構を搭載したソーラー電波時計のブランド。カシオの最上位クラスの腕時計として、熟練した技と秀でた感性をもつ職人によって組み立てられている。

そのニューモデルとしてこの6月に登場したのが、江戸切子職人が手作業でカットしたサファイア素材のベゼル(※風防ガラス回りのリング型部品。)を採用した「OCW-S5000EK」(画面一番上)。愛着をもって長く付き合ってもらうために物語を感じるデザインにしたい、という趣旨で開発が進められた。

切子細工を監修したのは、日本の伝統工芸士で江戸切子作家でもある三代秀石、堀口徹さん。江戸切子は、通常、比較的硬度の低いクリスタルガラスに細工をするが、このモデルでは強度を持たせる必要があるので、ダイヤモンドに次ぐ硬度のサファイアガラスを使用している。また、デザインは、斜めに差し込む光の変化を表現するため、日本伝統の文様のひとつである「千筋」を用いたモダンなカットを考案した。

堀口さんにとっても、新たな試みであったため、細工の工程にはかなりの時間と手間がかけられたという。そこには、「江戸切子を継承していくためにも新しいものを取り入れて進化させていきたい」という堀口さんの伝統工芸士としての思いも込められている。

ブルーからブラックに変化していく部分の色彩が情緒的な趣を見せる着色も、手の込んだ加工技術の蒸着によって仕上げられている。その精妙さは、時刻を確かめる必要がなくても何度も見てしまいたくなるほど美しい。

機能面では、日本(2局)、中国、北米、イギリス、ドイツの世界6局の標準電波を受信して時刻を自動修正するなど、ソーラー電波時計としての実用性が頼もしい。また、“薄さ”に特化したモデルでもあるため、着け心地も快適。

この時計を相棒に、少し長めの旅に出てみようか。そんな気持ちが湧き上がってきそうだ。

※この記事は『サライ』本誌2022年7月号より転載しました。(取材・文/堀けいこ 撮影/戸田嘉昭(パイルドライバー) スタイリング/有馬祥乃)

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