写真はイメージです

誰しも職場の人間関係において、「良好な人間関係を築いて好かれたい」と思うのではないでしょうか。上司の立場であれば「部下や後輩から尊敬されたい」、逆に部下としては「尊敬・信頼できる上司のもとで働きたい」と思うのは、自然なことです。

そこで今回、株式会社ライズ・スクウェア( https://www.rise-square.jp)が運営するWebメディア「RS MEDIA」が、全国の働く男女500人に「尊敬できる上司とできない上司の特徴」についてアンケート調査を実施しました。尊敬「できる」「できない」を決める要因とは、具体的にどのような内容なのでしょうか。 

尊敬できる上司の特徴1位は「部下を気にかけている」

尊敬できる上司の特徴

仕事をしている全国の男女500名のうち、「職場に尊敬できる上司がいる」と回答した265名に、「尊敬できる上司の特徴」を聞いたところ、1位は「部下を気にかけている(67人)」でした。2位「仕事ができる(49人)」、3位「責任感があり部下を守れる(44人)」、4位「話を聞いてくれる(42人)」と続きました。それぞれの回答について、コメントをご紹介します。

<1位 部下を気にかけている>

・女性特有の体調不良を理解して「あまり無理をしないように」と声をかけてくれます(28歳 女性)
・部下のことをしっかり気にかけて、困っていればタイミングよく声をかけられる(34歳 男性)
・日頃は自分の仕事に没頭しているにも関わらず、部下の人間関係や仕事上の悩みなどを、きちんと把握されている点(56歳 女性)

尊敬される上司は、忙しいときでも部下のことをよく見て、声をかけていることがわかります。仕事の進捗状況はもちろんのこと、「体調面」「育児・介護など家庭の事情」にも気を配ってくれる上司だと、部下はより安心して働けそうです。

<2位 仕事ができる>

・さまざまな資格を持っており、経験や知識が豊富(25歳 女性)
・英語やITツールの使いこなしなど、ビジネススキルに長けている(28歳 男性)
・問題解決能力と顧客獲得能力がすごい(45歳 女性)

いくら人柄がよくても「仕事ができない」と思われると、上司として尊敬されにくくなります。自身の仕事や職位に求められるスキルや能力を身につけておくことは、尊敬される上司の条件といえるでしょう。仕事に打ち込み成果を出すことで、上司として尊敬され頼られる機会が増えると考えられます。

<3位 責任感があり部下を守れる>

・新人のミスを責めることなく、裏でカバーしてくれるところ(27歳 女性)
・理不尽な事柄から部下をかばってくれる(34歳 男性)
・自身の仕事に責任を持つところ(50歳 男性)

「失敗してもカバーするから、思い切りやってみなさい」と言われると、部下もやる気がでて全力で仕事に向き合えるでしょう。もちろんミスしたときには反省が必要ですから、上司としては「部下に任せて責任をとらせる部分」「上司がカバーする部分」の使い分けが必要です。

尊敬できない上司の特徴1位は「感情的な行動が目立つ」

尊敬できない上司の特徴

次に、仕事をしている全国の男女500名に「尊敬できない上司の特徴」を聞いたところ、1位は「感情的な行動が目立つ(105人)」でした。2位「自分本位で思いやりがない(96人)」、3位「無責任で部下を守らない(83人)」、4位「不真面目・不誠実(79人)」と続きます。

上位にランクインしたのは、「感情的」「自分本位」「無責任」「不真面目」など、性格・人格に関する回答です。人間性が尊敬できないと、いくら仕事ができても「尊敬できる上司」といえないことがわかります。

<1位 感情的な行動が目立つ>

・思い通りの結果にならず虫の居所が悪いと、すぐにイライラしたり怒鳴ったりする。部下が萎縮して効率は下がる一方です(23歳 女性)
・部下を叱るときに感情的になる人。ミスの原因を叱るならともかく、人格などを否定する人は尊敬できません(31歳 男性)
・感情論で話し、喜怒哀楽が激しい(42歳 女性)

「管理職の機嫌の良し悪し」は部署全体に影響を及ぼすので、上司がイライラしていると、部下は萎縮して仕事しにくくなってしまいます。また、感情の起伏が激しい上司に対し、「自分をコントロールできなくて子どもっぽい」と思う人もいました。

<2位 自分本位で思いやりがない>

・自分の作業効率ばかり気にして、部下が困っていても知らないふりをする(34歳 女性)
・同僚や部下に無関心(40歳 女性)

「部下が困っていないか」「部下が担当している仕事の進捗は順調か」と気配りする必要があるものの、実際にはできていない人も多いようです。部下に「あの上司は自分のことしか考えていない」と思われると、尊敬されず嫌われてしまいます。

<3位 無責任で部下を守らない>

・何かあったときに部下を守ってくれない(31歳 男性)
・問題が発生したときに、すぐに部下の責任にするところ(50歳 女性)

チームや部署のリーダーになると、部下の代わりにミスについて謝ったり、フォローに走ったりする場面もでてくるはず。しかし、「自分が責任者だ」という意識のない上司だと、知らんぷりしてしまうこともあるようです。また、「自分のミスを部下のせいにする」など、社会人として無責任な行動をとる上司に悩んでいる人が多いこともわかりました。

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部下の小さな変化に気づくことがポイント

今回の調査結果に関して、コンサルティング会社である株式会社Gentleの代表取締役・中村成博氏の考察がありますので、ご紹介いたします。

働いていると、「私は職場で必要とされているだろうか」と不安に感じたりします。それを解消してあげられることが尊敬できる上司になっていくのだと思います。そのためには、日々部下に関心を持ち、ちょっとした変化に気づくことです。「何か悩みがあったら言えよ!」ではなく、上司からちょっとした変化に気づき、声かけすることです。

最近は、コミュニケーションがどんどん希薄になってきていますが、信頼関係は日々の積み重ねでしか築いていけません。是非、今回のランキングを参考に尊敬できる上司を目指してください。


株式会社Gentle代表取締役 中村成博氏のプロフィール
日本マクドナルド勤務時代、楽しく働ける環境づくりを徹底し、都内で平均時給が一番低い店舗にも関わらず、一番離職率の低い店舗となり、その事例がマクドナルド全店に紹介される。コンサルティング会社では、この考え・手法をあらゆる業種・業態に講演・研修を通して広め、その実効性は評価が高い。

***

アンケート結果から、仕事ができるだけでも、性格がいいだけでも、上司としては尊敬されないことがわかりました。仕事の「能力」と「親身」「思いやりがある」といった人間性を兼ね備えていることが、尊敬される上司の条件だといえそうです。

「思いやり」「感情的にならない」といった人間性は、心に余裕がないと発揮されないもの。つまり、自信と余裕をもつことこそ、尊敬される上司に近づく秘訣なのかもしれません。

調査概要
調査対象:全国の働く男女
調査期間:2022年7月25日~26日
調査機関:自社調査
調査方法:インターネットによる任意回答
有効回答数:500人(女性291人/男性209人)
回答者の年代:10代 0.2%/20代 26.0%/30代 38.0%/40代 22.2%/50代 11.4%/60代以上 2.2%

 

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