19世紀初めに記録媒体として発明された写真が、現在のように芸術の一分野に挙げられるようになる過程において、欠かすことのできない人物がジュリア・マーガレット・キャメロン(1815-79)です。
キャメロンが初めて持ったカメラは、夫が単身赴任中で一人暮らしをしていた母の楽しみに娘夫婦から贈られたものといわれます。彼女は写真を始めた当初から「写真を芸術に高めたい」という大きな望みを胸に、情熱をもって制作活動に取り組みました。やがて彼女は、意図的に焦点をぼかし、ネガに傷をつけ、手作業の痕跡をあえて残す、といった革新的な手法を編み出します。
本展は、キャメロン生誕200年を記念してヴィクトリア・アンド・アルバート博物館が企画した世界6カ国にわたる国際巡回展であり、日本初の回顧展です。
本展の見どころを、三菱一号館美術館・展覧会広報担当の後藤夕紀子さんにうかがいました。
「19世紀英国を代表する女性写真家ジュリア・マーガレット・キャメロン。彼女は48歳にして写真を始め、アマチュア出身ならではの自由な発想によって、鮮烈な人物描写や絵画的な美しい構図を追求し、記録媒体にすぎなかった写真を芸術の域にまで高めました。
生誕200年を記念する本回顧展では、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館所蔵の写真や書簡など約150点から、キャメロンが切り拓いた新たな芸術表現を展観します」
絶頂期のオリジナルプリント(ヴィンテージプリント)も展示されます。ぜひ足をお運びください。
展覧会サイトはこちら
【From Life-写真に生命を吹き込んだ女性 ジュリア・マーガレット・キャメロン展】
■会期/2016年7月2日(土)~9月19日(月・祝)
■会場/三菱一号館美術館
■住所/東京都千代田区丸の内2-6-2
■電話番号/03・5777・8600(ハローダイヤル)
■料金/一般1600円 高校生・大学生1000円 小・中学生500円 ※アフター5女子割:第2水曜日17時以降は一般女性1000円
■開館時間/10時から18時まで、金曜・第2水曜、会期最終週平日は20時まで(入館は閉館30分前まで)
■休館日/月曜日(ただし祝日の場合と9月12日は開館)
■アクセス/JR東京駅丸の内南口より徒歩約5分、JR有楽町駅国際フォーラム口より徒歩約6分、東京メトロ千代田線二重橋前駅1番出口より徒歩約3分、東京メトロ有楽町線有楽町駅D3/D5出口より徒歩約6分、都営三田線日比谷駅B7出口より徒歩約3分、東京メトロ丸ノ内線東京駅(地下直結)より徒歩約6分