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来年の大河ドラマの前に見ておきたい|時代を超えて野心に燃えた男たち『戦国自衛隊』【面白すぎる日本映画 第35回】

『戦国自衛隊』

文・絵/牧野良幸

もう来年の話というのもいささか気が早いが、2020年のNHK大河ドラマは明智光秀が主人公の『麒麟がくる』なのだそうである。人気の戦国時代が舞台の上、明智光秀という謎めいた人物が主人公ならきっと面白いことだろう。

ということで今回は戦国時代を描いた映画を取り上げてみようと思う。と言っても普通の時代劇では芸がないので、ここはサライ世代にも思い出深い『戦国自衛隊』を取り上げてみる。

『戦国自衛隊』は自衛隊が戦国時代にタイムスリップしてしまうというアクション映画である。原作は半村良の小説。奇想天外な発想は、同じSF作家だった小松左京の『日本沈没』と一二を争うユニークさだ。それを当時破竹の勢いだった角川春樹が1979年(昭和54年)に映画化した。

“自衛隊が戦国時代で戦う”、この設定だけで胸が踊ったものである。近代兵器を持つ自衛隊がサムライと戦って負けるわけはない。だが待てよ。武器では圧倒的にまさっていても、数では圧倒的に不利だ。精神の強さも違うだろう。果たして簡単に勝てるのか?

ストーリーはこうである。

伊庭義明三等陸尉(千葉真一)が率いる自衛官たちが演習のために海岸に集合していると不思議な自然現象が起きる。その結果、隊員たちは戦車やヘリコプターもろとも戦国時代にタイムスリップしてしまうのである。

そこで出会ったのが長尾景虎(当時は夏木勲)という武将であった。のちの上杉謙信である。景虎は自衛隊の武器の破壊力をいち早く見抜くと、伊庭に「一緒に天下を取ろう」と持ちかける。伊庭は自分たち現代人が天下をとれば歴史がそれを許さず、再び昭和の時代に帰れるのではと考え、景虎の誘いに乗る。

かくして伊庭たち戦国自衛隊が出撃した。景虎との共闘はやがて武田信玄を相手にした川中島の決戦となった。

「信玄は我々だけで討つ。景虎は西へ向かってくれ」と伊庭。

「信玄は手強いぞ」

「ははは、京で会おう景虎。その時こそ、ともに天下をとる時!」

自信に満ちた伊庭であった。その言葉どおり、戦車やヘリコプター、機関銃など圧倒的な火力の自衛隊は、戦闘が始まると赤子の手をひねるように武田軍を駆逐した。

しかしそれも最初だけ、武田軍の人海戦術、相手を研究した作戦(落とし穴など)で戦車やヘリコプターは撃墜される。隊員も数名が戦死した。最後は伊庭が一人で武田軍に忍び込み、信玄と一騎討ちの上、首を討ち取ったのだった。

こうして伊庭たちは勝利を収めたものの、武器を失い、隊員も多くを失ったのだった。

実は話がここまで進む間に隊員同士の仲間割れがあったり、隊員が現地の娘と恋をしたり、子どもと仲良くなってこの時代で生きることを決めたり、色々なエピソードが物語を膨らませている。隊員たちの運命は、僕が戦国時代にタイムスリップしたら、どの行動が最善か自分にも当てはめてしまうから興味深い。

その中で一番興味深いのはやはり伊庭だ。最初こそ自衛隊の指揮官として冷静沈着な男なのに、やがて闘争心が芽生えてくる。昭和の時代に帰るよりも、この戦国時代で思い切り暴れまわりたいという思いが強くなるのだ。

伊庭には戦国武将の資質があるのだろう。景虎はいち早くそれを見抜いたのだ。今や二人は友情で結ばれ、京に上り、そこで落ち合うことを約束した。

しかし“出る杭は打たれる”。これは現代も戦国時代も変わらない。いや戦国時代の方が非情だろう。京の為政者たちは伊庭の力を恐れ、暗殺を景虎に命じる。伊庭との友情に結ばれた景虎も命令に従うしかなかった。

京へ向かう途中、荒れ寺に駐留している伊庭たちを景虎の軍勢が取り囲んだ。何も知らない伊庭は景虎が出迎えに来たと思い、笑顔で歩み寄るが鉄砲隊の攻撃で殺されてしまう。他の隊員も矢を雨のごとく浴びせられ絶命した。

これが戦国時代に野心を持った男の最期だった。火を放たれた寺が燃えるラストシーンは、まるで「本能寺の変」を想起させる。急進的に台頭した伊庭は織田信長に、その夢を非常に絶ち切った景虎は明智光秀に重なるのだ。戦国時代では燃え上がる炎が何もかも飲み込んでしまう。

やはり戦国時代は面白い。来年の大河ドラマ『麒麟がくる』に、もちろん自衛隊は出てこないが、野心に燃えた男が描かれるのは間違いないだろう。楽しみである。

【今日の面白すぎる日本映画】
『戦国自衛隊』
製作年:1979年
製作:角川春樹事務所・配給:東宝
カラー/139分
キャスト/千葉真一、夏木勲、渡瀬恒彦、江藤潤、岡田奈々、ほか
スタッフ/原作:半村良 監督:斎藤光正 アクション監督:千葉真一 脚本:鎌田敏夫 音楽:羽田健太郎

文・絵/牧野良幸
1958年 愛知県岡崎市生まれ。イラストレーター、版画家。音楽や映画のイラストエッセイも手がける。著書に『僕の音盤青春記』『オーディオ小僧のいい音おかわり』(音楽出版社)などがある。ホームページ http://mackie.jp

 

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