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選評/林田直樹(音楽ジャーナリスト)

2015年春にオープンしたフィルハーモニー・ド・パリは、複数のコンサートホール、国立音楽博物館、展示・研究機関、世界中の楽器に誰もが触れられる音楽室なども備えた、世界最先端の総合的音楽施設である。

そこに所蔵されている至宝ともされる1652年製作のチェンバロ(フランス語ではクラヴサン)を用いて、鍵盤楽器奏者・指揮者のクリストフ・ルセ(1961年アヴィニヨン生まれ)が演奏した最新録音が『ルイ・クープラン:新しい組曲集』である。

ブックレットには、花や鳥や昆虫や動物などをあしらった装飾模様が描かれたチェンバロの写真が掲載されている。フランドル地方からブルボン王朝最盛期のパリへと渡ったとされる歴史的楽器の響きは、偉大なる過去からの贈り物だ。

17世紀半ばに活躍した作曲家ルイ・クープランの楽曲は、厚みのある和声、深い陰影と色彩感で、究極の心の贅沢へといざなってくれる。ルセの演奏は、話し言葉のように明瞭で抑揚が豊かである。(こちらで試聴できます)

【今日の一枚】
ルイ・クープラン:新しい組曲集
クリストフ・ルセ(チェンバロ)
発売:キングインターナショナル 
電話:03・3945・2333
4500円

文/林田直樹
音楽ジャーナリスト。1963年生まれ。慶應義塾大学卒業後、音楽之友社を経て独立。著書に『クラシック新定番100人100曲』他がある。『サライ』本誌ではCDレビュー欄「今月の3枚」の選盤および執筆を担当。インターネットラジオ曲「OTTAVA」(http://ottava.jp/)では音楽番組「OTTAVA Salone」のパーソナリティを務め、世界の最新の音楽情報から、歴史的な音源の紹介まで、クラシック音楽の奥深さを伝えている(毎週金18:00~22:00放送)

※この記事は『サライ』本誌2019年4月号のCDレビュー欄「今月の3枚」からの転載です。

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