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クラシック音楽を愛し抜いた文士・野村胡堂が愛用した蓄音機【文士の逸品No.30】

◎No.30:野村胡堂の蓄音機(撮影/高橋昌嗣)

野村胡堂の蓄音機(撮影/高橋昌嗣)

文/矢島裕紀彦

『銭形平次捕物控』の作者である野村胡堂は、頗るつきのクラシックファンだった。「あらえびす」のペンネームで音楽評論も手がけた。

岩手の農家の生まれ。亡父の借財もあり、結婚当初の生活は貧しかった。結婚披露宴の祝膳は、もりそば1枚。新所帯の全財産23銭。でいながら、それから10数年の間に収集したSP盤レコードが2万枚。家計ばかりか、建物までがその重量で傾いたらしい。

蓄音機も20台余りを所有。エジソンの数ある発明中の最上は、電燈でも電話でもなく蓄音機だと位置づけ、こうも記した。

「万一蓄音機が無かったら--私はそれこそ考えるだけでも恐ろしい、私の生活は索漠として我慢の出来ない乾燥無味なものになったであろう」(『蓄音機とレコード通』)

胡堂愛用の蓄音機とレコード群(岩手県紫波町・野村胡堂あらえびす記念館所蔵)。うち、米国製「ビクター・V- 0型」にサラサーテ自作自演「チゴイネルワイゼン」のレコード盤をセットしてみた。生前の胡堂もこのようにして執筆に勤しんだ。クラシック音楽なしには『銭形平次捕物控』の軽快な文章も紡ぎ得なかったと聞くと、まっこと文化の交差の妙を感じる。

文/矢島裕紀彦
1957年東京生まれ。ノンフィクション作家。文学、スポーツなど様々のジャンルで人間の足跡を追う。『サライ.jp』で「日めくり漱石」「漱石と明治人のことば」を連載した。

写真/高橋昌嗣
1967年桑沢デザイン研究所 グラフィックデザイン科卒業後、フリーカメラマンとなる。雑誌のグラビア、書籍の表紙などエディトリアルを中心に従事する。

※この記事は、雑誌『文藝春秋』の1997年7月号から2001年9月号に連載され、2001年9月に単行本化された『文士の逸品』を基に、出版元の文藝春秋の了解・協力を得て再掲載したものです。

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