新着記事

X線やMRIでもわからない腰痛の原因は?【川口陽海の腰痛事件簿 第4回】

取材・文/わたなべあや腰痛トレーニング研究所の川口陽海(かわぐち・はるみ)さんは、自…

【夕刊サライ/神取忍】神取流いじめ撲滅運動~思いを声に出す大切さを伝えたい(神取忍の健康・スポーツコラム 第12回)

夕刊サライは本誌では読めないプレミアムエッセイを、月~金の毎夕17:00に更新しています。月…

富士山ぐい呑み|職人技で磨き込まれた富士山シルエットの酒器

金属加工の本場、新潟県燕市から届いた、ぐい呑みセット。錆びにくく熱に強い「18‐8ステンレス…

超合金魂|「超電磁マシーン ボルテスⅤ」「無敵鋼人ダイターン3」「闘将ダイモス」が新シリーズでついに登場!

文/安藤政弘ダイキャスト(亜鉛合金)を使った手にずっしりくる重量感、テレビから抜け出たかのよ…

豊臣秀吉の正室・北政所の謎を追う【にっぽん歴史夜話 7】

 文/砂原浩太朗(小説家)豊臣秀吉の正室・北政所(きたのまんどころ)。戦国女性のなか…

「太宰治記念館 斜陽館」と「太宰治疎開の家」 太宰治ゆかりの2大名所

写真・文/鈴木拓也奥津軽のJR五所川原駅で、1両編成の津軽鉄道に乗り換えて約20分。吉幾三に…

たてスラブ作務衣|肌ざわりよくサラリとした着心地の伝統ウェア

動きやすく体を締め付けず、作業着から部屋着まで万能に使えることから、サライ世代に人気の作務衣…

「糖質制限」は体を壊す?医学的見地から見た効果と副作用

文/中村康宏近年、ダイエットや糖尿病の治療法として「ケトジェニック・ダイエット」が注…

三菱/エクリプス クロス|ブランド復活を狙った、斬新な意匠が評判の高性能な小型SUV【石川真禧照の名車を利く】

文/石川真禧照(自動車生活探険家)荒地などでの走行性能に優れた車づくりに定評のある三菱自動車…

世界最大の陸の孤島!映画「フィツカラルド」誕生の地、ペルー・イキトス

文・写真/原田慶子(海外書き人クラブ/ペルー在住ライター)ドイツの巨匠ヴェルナー・ヘルツ…

サライ最新号

ピックアップ記事

>>過去の記事へ

サライの通販

>>過去の記事へ

趣味・教養

太宰治が颯爽と纏って歩いた黒マント【文士の逸品No.07】

◎No.07:太宰治のマント

太宰治のマント(太宰治記念館蔵、撮影/高橋昌嗣)

文/矢島裕紀彦

三鷹時代の太宰治の写真のうち数葉に、マント姿のものがある。煙草を手に陸橋の上に立つ一葉。本屋の店先で書物に視線を落とす一葉。玉川上水のほとりで、大樹によりかかるようにして佇(たたず)む一葉……。

日本では二重廻し、別名トンビとも言うこのマント。もとはスコットランドの都市名からついたインバネスという呼称を持ち、明治初期、種々の洋装文化とともに日本に渡来。袖代わりにケープのついた独得の意匠が、和服着用時の防寒コートとしても重宝がられた。

「太宰さんは和服好み。背が高くてちょっと猫背でね、肌寒い季節には決まってこの二重廻しを着込んでたっけ。若い人たちを引き連れてやってきて、酒を飲みながら文学談義さ」

太宰が頻繁に出没した三鷹の鮨店の老隠居から、以前、そんな話を聞いた覚えがある。友人知己と交換した書簡を基に書いた『虚構の春』には、太宰が昭和10年(1935)師走、80円でマントを新調したらしい記述がある。いま斜陽館(青森・金木町)に残るマントは、これと同一か。

黒無地。裾には微かな擦り切れも見えるが、颯爽たる雰囲気。これを羽織れば、忽ちのうちにいっぱしの文士。と思いきや、太宰の叱声が天から降りてくる。

「ただの気障(きざ)だね」

文/矢島裕紀彦
1957年東京生まれ。ノンフィクション作家。文学、スポーツなど様々のジャンルで人間の足跡を追う。『サライ.jp』で「日めくり漱石」「漱石と明治人のことば」を連載した。

写真/高橋昌嗣
1967年桑沢デザイン研究所 グラフィックデザイン科卒業後、フリーカメラマンとなる。雑誌のグラビア、書籍の表紙などエディトリアルを中心に従事する。

※この記事は、雑誌『文藝春秋』の1997年7月号から2001年9月号に連載され、2001年9月に単行本化された『文士の逸品』を基に、出版元の文藝春秋の了解・協力を得て再掲載したものです。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で

関連記事

  1. 作家・遠藤周作を終生見守った母の形見のマリア像【文士の逸品No.…
  2. 無類の河童好き作家・火野葦平が愛でていた石像【文士の逸品No.3…
  3. 愛の遍歴を重ねた文士・永井荷風自作の偏奇な蚊遣り【文士の逸品No…
  4. クラシック音楽を愛し抜いた文士・野村胡堂が愛用した蓄音機【文士の…
  5. 作家・田中英光が自殺前に遺書を書いた太宰治の本【文士の逸品No.…
PAGE TOP