文/鈴木拓也
“御朱印集め”がブームといわれて久しいが、その陰で“おみくじ集め”が少しずつ人気を集めている。
「おみくじ」と聞いて、多くの人が思い浮かべるのは、くるくる巻いた薄紙を輪ゴムで止めただけの簡素なものだろう。ところが、近年の神社ブームが後押ししたのか、さまざまな動物や縁起物などをモチーフにしたおみくじが急増している。
例えば、鳩森八幡神社の鳩のかたちに折られた『鳩みくじ』や、愛宕神社のだるまの容器に入った『だるまみくじ』など、結んでおくより持ち帰りたくなるおみくじが、多くの寺社で授与されるようになった。
当サイトでも、神社検定1級の資格を持つモデルMARIKOさんが、全国の神社の面白いおみくじをレポートしてくれている。(MARIKOのおみくじ探訪)
鳩森八幡神社の『鳩みくじ』(MARIKOのおみくじ探訪より)
愛宕神社の『だるまみくじ』(MARIKOのおみくじ探訪より)
そんな中、「御朱印だけもらって帰るのでなく、その寺社だけで引ける個性的なおみくじも一緒に集めてみては」と提案しているのが、佛教大学の八木透教授だ。
八木教授の監修による『開運&幸せを呼び込む おみくじ集めハンドブック』(辰巳出版)では、全国のユニークなおみくじを紹介するとともに、おみくじ集めのイロハについても書かれている。
その柱になるのが、“おみくじ帳”なるもの。はたしていかなるものなのだろうか? さわりの部分をちょっと紹介したい。
■“おみくじ帳”を使ってみよう
本書ではまず、“おみくじ帳”の作り方が説明されている。御朱印帳とは違い、市販の“おみくじ帳”というものは、まだ存在していないようである。
そこで準備するのは、手帳やノート。好みによっては御朱印帳や日記帳でもよいとのことで、まずはどれか新しい1冊を確保する。
使い方もとてもシンプルで、持ち帰ったおみくじを空白の紙面に貼り付けるだけ。おみくじの入っていた容器やおまけがあれば、その写真を添える。おみくじを授与された寺社の境内といった、あとで思い出となる写真を加えてもよいとのこと。
SNSが全盛の今、こうした手書きによる記録のとり方は、かえって新鮮味がある。参考までに以下は、お手製のおみくじ帳の1ページだ。
■“おみくじ帳”の応用編
紙面におみくじや写真を貼る形式から一歩進めたのが、本書付録の型紙を活用したものだ。型紙には、おみくじを貼る欄、日付・寺社名・吉凶の結果を記す欄、そして願った内容や自由にメモを記す欄がある。
これを必要枚数コピーし、ノートに貼り付けるなり、束ねておいて使う。ちょっとだけ本格的にすることで、各所にお参りする励みになるし、収集の喜びが増す。
さらに本書では、「このおみくじ帳は、神仏の言葉を読み返してかみしめることができるとともに、過去・現在の図解によって未来までをパノラミックに感じさせてくれる」とも語られている。
寺社参拝をより楽しいものへと変えてくれる、魅惑のおみくじ集め。まず“おみくじ帳”を作ったら、さっそく近所の寺社へおみくじを求めて参詣してみては?
【今日の縁起の良い1冊】
『開運&幸せを呼び込む おみくじ集めハンドブック』
(八木透監修、本体1,300円+税、辰巳出版)
http://www.tg-net.co.jp/item/4777819698.html?isAZ=true
文/鈴木拓也
2016年に札幌の翻訳会社役員を退任後、函館へ移住しフリーライター兼翻訳者となる。江戸時代の随筆と現代ミステリ小説をこよなく愛する、健康オタクにして旅好き。