名作オペラには文豪の作品を原作にしたものが数多くあるが、オペラ化された作品が多い文豪といえば、やはり、ウイリアム・シェイクスピアだろう。
中でも有名なのが、19世紀の半ば、ワーグナーとともにオペラ界を支配した巨人ヴェルディによる「オテロ」だ。
シェイクスピアの四大悲劇のひとつである「オテロ」は、ムーア人の英雄オテロが嫉妬という恐ろしい罠にかかり、最後には最愛の妻のデズモーナを殺してしまうという戯曲。英雄オテロの栄光からの転落、破滅を描いた悲劇だ。
ヴェルディは、「人間精神に深く迫っている」とシェイクスピアを尊敬し、「ファルスタッフ」(原作「ウィンザーの陽気な女房たち」)や「マクベス」などもオペラ作品として手がけている。
そんなヴェルディが晩年の7年をかけて作曲したのが「オテロ」。イタリア・オペラの最高峰に立つこの傑作が、4月、新国立劇場オペラパレスで上演される。
難役といわれるオテロを演じるのは、ドラマチックな歌唱で知られるカルロ・ヴェントレ。妻のデズデーモナを演じるセレーナ・ファルノッキアは、「ファルスタッフ」や「ドン・カルロ」で新国立劇場に出演して多くの日本のオペラ・ファンの心を掴んだ名ソプラノだ。
![ヴェントレMr Carlo Ventre 1140x760_06](https://serai.jp/wp-content/uploads/2017/03/b3ba220eee641f7a5bd6dea909c9bc1b-500x333.jpg)
今回オテロを演じるカルロ・ヴェントレ。
![ファルノッキア Ms Serena Farnocchia 写真 20141025](https://serai.jp/wp-content/uploads/2017/03/10f9a8959db8b7ee28f84db8175d3f6f-333x500.jpg)
妻のデズデーモナを演じるセレーナ・ファルノッキア。
そしてオテロの嫉妬心をあおるイアーゴ役には、伸びのある声でヴェルディを中心としたレパートリーを世界の主要な歌劇場で披露する、ブルガリア出身のウラディミール・ストヤノフが扮する。
![ストヤノフMr Vladimir Stoyanov](https://serai.jp/wp-content/uploads/2017/03/29fabbb4ae8426dd2269328932418901-334x500.jpg)
イアーゴ役のウラディミール・ストヤノフ。
指揮はイタリア・オペラの名匠パオロ・カリニャーニ。新国立劇場には、2013年にヴェルディの出世作「ナブッコ」を指揮して以来の待望の登場だ。
![カリニャーニ 指揮+Bofill[1]](https://serai.jp/wp-content/uploads/2017/03/013bfcae56684c375716b55cf89cbc5f-500x333.jpg)
指揮するパオロ・カリニャーニ。
いつまでも記憶に残る舞台となるにちがいない。
オペラ・ファン垂涎のキャストが繰り広げるシェイクスピアの名作。オペラ入門者にこそ体感していただきたいステージだ。
※上記の舞台写真はいずれも過去の公演のもので、俳優や舞台は異なります。
【新国立劇場 2016/2017シーズンオペラ ヴェルディ『オテロ』[全4幕/イタリア語上演 日本語字幕付]】
公演日 2017年4月9日(日)〜12月22日(土)
会場 新国立劇場 オペラパレス/東京都渋谷区本町1-1-1
■新国立劇場オペラサイト
http://www.nntt.jac.go.jp/opera/
https://www.facebook.com/nnttopera/
■問い合わせ/電話 03・5352・9999(ボックスオフィス)
文/堀けいこ
【観賞チケットプレゼント!】
この「オテロ」公演チケットを「サライプレミアム倶楽部」会員の中から、2組4名様にプレゼントいたします。応募フォームは「サライプレミアム倶楽部」会員様宛の3/10配信のメールマガジンにてお知らせいたします。入会がまだの方は、この機会にぜひご入会ください。詳しくはこちら
![](https://serai.jp/wp-content/uploads/2017/03/2012Otello_03_SAE8590-e1488877112375.jpg)