世界4大文明(メソポタミア・インダス・エジプト・黄河)の発展と共に文字が生まれましたが、現在でも使用されているのは黄河文明で生まれた漢字のみです。
日常的に使用していますが、読めそうで読めなかったり、もはや読み方の想像すらできないものまで存在します。近年ではパソコンやスマホの変換機能に頼って、ますます漢字が「読めない」「書けない」人が増えています。
『サライ.jp』でも人気のコンテンツ「脳トレ 漢字」のおさらい企画として、毎月5本をセレクトして、ご紹介します。隙間時間にチェックして、記憶力を鍛えながら漢字の奥深さを楽しんでください。
■1:暑さが続く今、食べたいヘルシーな一品
ツルッとしたのどごしと、さっぱりとした味わいで、暑い夏に食べたいもののひとつである「ところてん」のことです。
「海藻のテングサを煮て寒天質をこし、型に流し込んで冷やし固めた食品」は平安時代から親しまれており、当時は漢字の通り「こころふと」と呼ばれていたそう。その後、室町時代には「こころてい」と読まれるようになり、それがさらに訛って「こころてん」→「ところてん」へ。
呼び方は変化しましたが、漢字表記は「心太」は平安時代と変わらず、歴史を感じますね。
■2:耳や鼻を?
「穿つ(うがつ)」と同じ漢字ですが、正解は「ほじる(ほじくる)」です。
「穿」という漢字は、「穴」と「牙」の二つを組み合わせて作られた会意文字で、そのため「穿る」は、漢字の通り「“牙”で“穴”を掘ること」を意味します。
また、「穿」には、「穿(うが)つ」、「ズボンを穿(は)く」など、複数の訓読みが存在します。送り仮名ひとつで大きく異なるのが、おもしろいですね。
■3:昔から歌に詠まれてきた鳥のこと
織田信長・豊臣秀吉・徳川家康の気質を表したとされる「鳴かぬなら……」で、有名な鳥といえば?
そう、ホトトギスの漢字表記です。
昔から、ホトトギスは毎年初夏になると几帳面に飛来し、人々はそれを農耕の合図にしていました。つまり、ホトトギスの声が田植えを始める時期を告げるということで、「時鳥(時を告げる鳥)」と命名されたのだとか。
なお、オスの鳴き声が「特許許可局」「てっぺんかけたか」などに聞きなしされます。
■4:ゲリラ豪雨を風流に言い換えてみる?
ここのところ、ゲリラ豪雨に立ち往生した人も多いのではないでしょうか。「群雨」は「むらさめ」と読み、「ひとしきり激しく降り、やんではまた降る雨。にわか雨」のこと。
「“群”がって降る“雨”」ということで、この漢字が使われ、激しさを表現していますが、どこか風流な趣がありますね。
■5:この読み方は、ほとんど使われていないという驚き!
「ぼんれい」と読みたくなりますが、正解は「はんれい」です。「書物の巻頭にあって、その編述の方針や使用法などを述べたもの」として、「凡例を引く」「凡例を参照する」のように使われます。
「凡」の音読みとして「はん」が使われるのは「凡例」くらいで、他に例がほとんどないことが読み間違えられる原因です。
同様に、「汎用」を「ぼんよう」と読み間違える人も多いようですが、こちらも「はんよう」なので併せて覚えておきましょう。
※「凡例」を「ぼんれい」と読んでいませんか?正しい読み方は?
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すべて読むことはできましたか? 読めても、意味までは知らないことも多いと思います。じっくりと漢字と向き合うことで、その奥深さに感心し、知的好奇心も刺激されるはず。ぜひ、毎月の習慣として「脳トレ漢字おさらい編」を取り入れてください。
文/編集部