世界4大文明(メソポタミア・インダス・エジプト・黄河)の発展と共に文字が生まれましたが、現在でも使用されているのは黄河文明で生まれた漢字のみです。
日常的に使用していますが、読めそうで読めなかったり、もはや読み方の想像すらできないものまで存在します。近年ではパソコンやスマホの変換機能に頼って、ますます漢字が「読めない」「書けない」人が増えています。
『サライ.jp』でも人気のコンテンツ「脳トレ 漢字」のおさらい企画として、毎月5本をセレクトして、ご紹介します。隙間時間にチェックして、記憶力を鍛えながら漢字の奥深さを楽しんでください。
■1:「したごけ」とも読みますが…
正解は「ぜったい」です。
舌苔は、さまざまな細菌や古くなった口の中の粘膜、食べ物のカスなどの汚れが付着した状態で、舌の表面が白っぽくなるため、苔に見立てたのが呼び方の由来です。口臭の原因のひとつであり、味覚障害の原因とも言われているので、気をつけたいですね。
■2:こどもの頃、習った人も多いのでは?
「さんばん」とも読みますが、正解は「そろばん」です。
古代中国では、数を数えることを「算」と言うため、「数を数える盤」の意味で「算盤」となりました。日本で「算盤」を「そろばん」と読むのは、中国語の「ソワンパン」が訛ったことが由来だとか。
「そろばん」は「算盤」の他にも「珠盤」や「三羅盤」、「曾呂盤」など50種類以上の当て字が存在したというのも驚きです。
■3:あなたのまわりにも、そんな人がいるのでは?
「けんき」と読みたくなりますが、「けなげ」が正解です。
ひたむきで、しっかりとしていて、困難な状況にも立ち向かっていく人の様子を表します。もともとは、「他よりも勇敢で力強い」「体が丈夫で意志も強い」というような「壮健なイメージ」として使われていたようですが、時代とともに変化し、現在の「かわいそうな状態を乗り越える」という「哀れなイメージ」を持つ言葉になったというから不思議ですね。
■4:中華料理でよく使われる食材のこと
八宝菜などの炒めもの、スープなど、中華料理でおなじみの「きくらげ」です。
その名前は、海の「クラゲ(海月)」に食感が似ていることに由来すると言われています。形は耳に似ているため、「木に生えた耳」という漢字が当てはめられたようです。
きくらげの英名は、「ユダの耳、ユダヤ人の耳」を意味する「Judas’ ear」「Jew’s ear」です。きくらげが耳の形に似ているというイメージは世界共通なのが、おもしろいですね。
※「木耳」は何と読む?「きみみ」でも「もくみみ」でもなく、食材の名です
■5:「腕」ではなく、「婉」ですよ!
パッと見ると「腕」に似ているため「わんきょく」と読み違いがちですが、「えんきょく」と読みます。
「言い回しが穏やかで、かど立たないさま」のことで、我々日本人の精神文化にも関わる意味も備えてきた言葉といえるでしょう。「腕」に似た「婉」という字は、「美しい/しとやかで美しい/若々しく」などの意味も持ちます。
※「婉曲」は何と読む?「わんきょく」という読み間違えにご注意
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すべて読むことはできましたか? 読めても、意味までは知らないことも多いと思います。じっくりと漢字と向き合うことで、その奥深さに感心し、知的好奇心も刺激されるはず。ぜひ、毎月の習慣として「脳トレ漢字おさらい編」を取り入れてください。
文/編集部