歳をとるというのは厄介なものですよね。周りからは、年相応に物知りなどと思われたりして…。うっかり漢字の読み方なんか間違えたりしますと、恥ずかしい思いをするなんてこともあるかもしれません。
若い時のようにパッパと記憶中枢からひっぱり出せなくなってきているかもしれませんが、「歳とってきちゃって、なかなか思い出せなくて…」なんて言い訳するようでは、サライ世代の沽券に関わる?
そんなことにならないように、動画を見ながら漢字の読み書きをすることで、脳のトレーニングとなります。
「脳トレ漢字」がスタートしてから、ちょうど50回目を数える今回は、「凡例」をご紹介します。本の巻頭にある、その編述の目的・方針・書中の約束事のことです。
この記事を通じて、読むこと・書くこと・漢字の意味を深く知り、漢字の能力を高く保つことにお役立てください。
■「凡例」はなんと読む?
「凡例」という漢字、読み方に心当たりはありますか? つい「ぼんれい」と読んでしまいそうですが……
正解は……
「はんれい」です。
『小学館デジタル大辞泉』では、「書物の巻頭にあって、その編述の方針や使用法などを述べたもの」と説明されています。「凡例を引く」「凡例を参照する」のように使われます。
「凡」の音読みは「ぼん」の他にも、「はん」というものもあります。「凡例」の場合は「はんれい」であり、「ぼんれい」という読み方は誤読です。ただ、この他に「はん」という読み方が使われる例がほとんどないため、間違われやすくなっています。
■「凡例」の漢字の由来とは?
「凡例」を構成する漢字を一文字ずつ見ていきましょう。
「凡」というと、「平凡」のように「特に秀でたものがない」といったマイナスのイメージがあるかもしれません。しかし同時に「全体の」という意味もあります。そこから、「凡」が本全体のあらましを表現していると言えます。「例」は、ルールや同様のものを指しています。
この2つを合わせて、本の全体を貫くルールを示す言葉として出来たのが「凡例」です。
■関連語「汎用」は何と読む?
「凡例」を「はんれい」と読むことを確認しました。では、「汎用」はどうでしょうか?
「汎」という字は、さんずいと「凡」からなっていることから分かるように、「はん」と読みます。ですので、「汎用」の読み方は「はんよう」です。しかし「凡」の字面に引っ張られて、つい「ぼんよう」と読んでしまうというミスも。
「汎用」は「広く用いること、広く役立てること」を意味します。「ぼんよう」と読まないように注意が必要です。
***
いかがでしたか? 今回の「凡例」のご紹介は皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 漢字の字面に引っ張られないよう、意味と読み方を結び付けて覚えてみてはいかがでしょうか。
来週もお楽しみに。
文/豊田莉子(京都メディアライン)
アニメーション/貝阿彌俊彦(京都メディアライン)
HP:http://kyotomedialine.com
Facebook:https://www.facebook.com/kyotomedialine/