正しい意味を理解し、適切に漢字が使えているのか、疑問を感じることが増えていませんか? 適当に漢字を使ってしまい、気付かないところで「恥をかいている」ということがあるかもしれませんね。
Google先生やデジタルデバイスの出現により、便利になった反面、情報の中身については十分な吟味が必要な時代になっております。あなたの“漢字の知識“は確かでしょうか? もう一度、確認しておいても良いかもしれませんね。
「脳トレ漢字」第41回目は、「舌苔」をご紹介します。舌にできる“苔”のことです。
脳トレ漢字の動画を見ながら“読んで書く”ことで、記憶力を鍛えながら、漢字への造詣を深めてみてください。
■「舌苔」はなんと読む?
「舌苔」という漢字、読み方に心当たりはありますか? 「したごけ」とも読みますが…… ?
正解は……
「ぜったい」です。
『小学館デジタル大辞泉』では、「舌の粘膜の上面に生じるコケ状の付着物」と説明されています。「舌苔」の正体は、舌に付着した、様々な細菌や古くなった口の中の粘膜、食べ物のカスなどの汚れが集まったものです。舌の表面が白っぽくなるため、苔に見立てて「舌苔」と呼びます。
この「舌苔」は高齢者に限らず、誰にでもできるものですが、口腔機能が低下しやすい高齢者は分厚くなってしまうことがあります。口臭の原因のひとつであり、味覚障害の原因とも言われています。
■「舌苔」の漢字の由来とは?
「舌苔」を構成する漢字を一文字ずつ見ていきましょう。「舌」は「味を感じとり、発音を助ける口中の器官」を、「苔」は「体表に付いた垢(あか)」を意味しています。よって「舌苔」という漢字で「舌の粘膜の上面に生じるコケ状の付着物」を表しています。
■「舌」に関わる難読漢字 「舌疾」・「百舌鳥」
最後に「舌」に関わる難読漢字をご紹介していきます。「舌苔」では「舌」を「ぜつ」と読みましたが、「舌」には他にも読み方があります。「舌疾」、「百舌鳥」は何と読むでしょうか?
まず「舌疾」は「したど」と読み、「早口であるさま」を表します。「舌苔」の「舌」が「器官としての舌」を意味したのに対して、「舌疾」の「舌」は「口でしゃべること」を意味します。
次に「百舌鳥」は「もず」と読み、「スズメ目モズ科の鳥」のことを指します。漢字の由来は、100種類もの他の鳥の鳴き声を真似することができることに由来しています。「百の舌を持つ鳥」という意味で、「百舌鳥」と漢字表記されるようになったと言われています。
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いかがでしたか? 今回の「舌苔」のご紹介は皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 毎日の歯みがきの際に舌も掃除をして、適切に「舌苔」を取り除くことが大切です。
来週もお楽しみに。
文/豊田莉子(京都メディアライン)
アニメーション/貝阿彌俊彦(京都メディアライン)
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