藤原彰子という女性
I:さて、ここで藤原彰子が登場します。おとなしくて自己主張がまったくない女性として描かれました。道長に何を聞かれても「仰せのままに」とそれこそ鸚鵡(オウム)のように繰り返します。
A:先々のことになりますが、彰子もまた上東門院という女院号を与えられ、「大女院」と呼ばれることになるわけですが、この頃は前述のように小学生くらいの年齢。道長は、その彰子の入内を画策せねばならない状況に追い込まれていたともいえます。ちなみに裳着(もぎ)の儀式で腰結を担当したのが東三条院詮子。女院継承の儀式のようでもあって、ゾクゾクした人もいたのではないでしょうか 。
I:道長と倫子がここから人が変わったようになります。「中宮の出産にあわせて入内の日を合わせよう」「呪詛は、殿のご一家の得手でございましょう」「彰子が帝と内裏をお浄めする」「私も肝を据えます。内裏にあでやかな後宮を作りましょう」……。一連の流れの中でBGMが『ゴッドファーザー』のような荘厳な調べ……。
A:権力闘争のゴングが鳴ったともいえます。道長と倫子、このままブラック化するのでしょうか。いや、本当はブラック化してほしいのですが……。
I:そのことで、ちょっと気になる台詞がありました。倫子と母穆子(むつこ/演・石野真子)のやり取りで穆子が「ひょっこり中宮様が亡くなったりしたら?」と言っていました。もしかしてブラックな伏線? と思ったり……。
A:………。
【価値観の異なるまひろと宣孝。次ページに続きます】