次回以降、見逃したくない歴史的事件が描かれる

いつも自信にあふれている伊周(演・三浦翔平)。(C)NHK

A:そしていよいよ疫病の流行から時代が大転換する様子が描かれます。絶頂を極めていた道隆一家(中関白家)が一気に転落します。「世の中こんなことが起こるのか」という流れです。そうした歴史的大転換をどう描くのか。見逃してほしくありませんし、歴史好きだけれども『光る君へ』は見ていないという人も、道長が権力を掌握するまでの数回だけでも見ておいてほしいですね。

I:絶頂の道隆一家の中でも若きプリンス伊周(演・三浦翔平)の権力を笠に着た振る舞いが耳目を引きました。

A:その伊周ら道隆一家に対して不満を持つ人々が多くいたことも露呈しました。『光る君へ』の凄いところは脚本に「どうでもいい場面」がほとんどないところです。

I:道長と倫子とのやりとりの中では愛猫小麻呂(演・ニモ)もしっかり登場しました。道長と倫子との間に生まれた彰子(演・小井圡菫玲)は、劇中の会話とは裏腹に、やがて一条天皇に入内することになります。そして、一条天皇の後宮に今のところ猫の気配はない。ところが一条天皇は歴代天皇の中でも「猫好き」として知られた帝……。

A:一条天皇に猫の愛おしさを教えることになるのは誰なのか? そんなところも目が離せませんね。

I:小麻呂の鳴き声が頭の中でリフレインしている私です。

倒れたまひろを抱きかかえる道長(演・柄本佑)。(C)NHK

※『枕草子』の原文は『新編 古典文学全集』(小学館)該当巻からの引用になります。

●編集者A:月刊『サライ』元編集者(現・書籍編集)。「藤原一族の陰謀史」などが収録された『ビジュアル版 逆説の日本史2 古代編 下』などを編集。古代史大河ドラマを渇望する立場から『光る君へ』に伴走する。

●ライターI:文科系ライター。月刊『サライ』等で執筆。『サライ』2024年2月号の紫式部特集の取材・執筆も担当。お菓子の歴史にも詳しい。『光る君へ』の題字を手掛けている根本知さんの仮名文字教室に通っている。猫が好き。

構成/『サライ』歴史班 一乗谷かおり

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