はじめに-源明子とはどんな人物だったのか?
源明子(みなもとのあきこ/めいし)は、平安時代中期の貴族で、道長の第二の妻にあたります。醍醐天皇の皇子で、左大臣を務めていた源高明(たかあきら)を父に持つ明子。しかし、安和2年(969)に発生した「安和の変」により、高明は失脚してしまったのです。
親の社会的地位が子どもの出世に影響していた当時、後ろ盾をなくしてしまった明子は、非常に辛い立場にあったと考えられます。
その後、関白として政界を牛耳っていた道長と結婚し、四男二女を授かった明子。逆境に立ち向かい続けた勇気ある女性というイメージがありますが、実際の源明子はどのような人物だったのでしょうか? 史実をベースにしながら、紐解いていきましょう。
2024年NHK大河ドラマ『光る君へ』では、幼くして父の後ろ盾を失い、周囲に不満を募らせる道長のもう一人の妻(演:瀧内公美)として描かれます。
目次
はじめに―源明子とはどんな人物だったのか?
源明子が生きた時代
源明子の足跡と主な出来事
まとめ
源明子が生きた時代
源明子は生年不詳です。幼少の頃に、「安和の変」が発生したとされるため、安和2年(969)以前には生まれていたと考えられます。明子が生まれた頃、貴族社会の頂点に君臨するべく、藤原氏は他氏排斥に乗り出していました。
明子の父・高明も、藤原氏による他氏排斥事件に巻き込まれたうちの一人です。父親を失脚させられてしまった明子は、極めて不利な状態で、藤原氏が牛耳る厳しい貴族社会を生き抜かねばならなかったのです。
源明子の足跡と主な出来事
源明子は、安和2年(969)以前に生まれ、永承4年(1049)に没しました。その生涯を、出来事とともに紐解いていきましょう。
【「安和の変」で父親が失脚。次ページに続きます】