「あれ? なんて漢字だったっけ」と悩むことが多くなっていませんか? 少しだけ思い出す努力をしてみるものの、結局は「まあ、いいか」と諦めることもあったりして、記憶の衰えを実感することもあるのではないでしょうか? しかし、思い出すことが記憶⼒の鍛錬につながると言われています。
「脳トレ漢字」第173回は、「謙る」をご紹介します。「謙遜」という言葉にも使われている漢字で、日本特有の文化であると言えるでしょう。実際に読み書きなどをしていただき、漢字への造詣を深めてみてください。
「謙る」とは何とよむ?
「謙る」の読み方をご存知でしょうか? 「けんる」ではなく……
正解は……
「へりくだる」です。
『小学館デジタル大辞泉』では、「相手を敬って自分を控えめにすること」と説明されています。「謙遜する」と言い換えることもできるでしょう。
何かと自分を大きく見せようとしたり、見栄を張ったりすると、周囲を不愉快な気分にさせてしまうかもしれません。日本では古くから、人間関係を良好に保つには、相手の顔を立てることが大切であると伝えられてきました。
周囲に対する配慮を心がける、日本特有の文化であるとも言えるのではないでしょうか?
「謙る」の漢字の由来は?
「謙」という漢字には、「自分を低くして相手を立てること」「卑下すること」という意味があります。また、古典の世界では、現在の「謙る」と同じ意味を持つ、「謙(へ)る」という言葉が使われていました。
世界の様々な文化
謙る行為は、相手に対する気配りを重視する日本特有の文化・風習であると言えるでしょう。世界には、その国独自の文化や風習が数多く存在します。例えば、挨拶をする際、フランスでは互いに頬を近づけてリップ音を鳴らす「ビズ(チークキス)」が一般的で、ニュージーランドの先住民・マオリ族は、互いの額と鼻をくっつけて挨拶するそうです。
一方、行事面でも国ごとに特色があります。ロシアではクリスマスが1月7日とされており、私たちが知っているクリスマスとは少し異なります。この日には、サンタクロースではなく、魔法の杖とプレゼントを持った「マロースじいさん」とその孫娘が、子どもたちの元にやってくると信じられているのです。マロースは「寒波」を意味するロシア語で、彼はロシアの民間伝承に登場する霜の妖精だと言われています。
また、メキシコには、毎年11月1日、2日に祖先の墓に花を供えるという、日本のお盆のような行事があります。この時期には、骸骨をかたどったお菓子がたくさん販売され、友人同士で贈り合ったりするそうです。この行事は「死者の日」と呼ばれ、ユネスコの無形文化遺産にも登録されています。
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いかがでしたか? 今回の「謙る」のご紹介は、皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? やり過ぎると、かえって不自然になってしまいますが、「謙る」ことは、気遣いを大切にする日本ならではの素晴らしい風習であると言えるでしょう。
また、世界には私たちが知らない様々な文化・風習があることが分かりました。ほかにも調べていただくと、面白い発見ができるかもしれませんね。
文/とよだまほ(京都メディアライン)
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