正しい意味を理解し、適切に漢字が使えているのか、疑問を感じることが増えていませんか? 適当に漢字を使ってしまい、気付かないところで「恥をかいている」ということがあるかもしれませんね。
Google 先生やデジタルデバイスの出現により、便利になった反面、情報の中⾝については⼗分な吟味が必要な時代になっております。あなたの“漢字の知識”は確かでしょうか? もう⼀度、確認しておいても良いかもしれません。
「脳トレ漢字」第157回は、「凸む」をご紹介します。「凹凸(おうとつ)」にも使われている漢字ですが、記号のようにも見えますね。実際に読み書きなどをしていただき、漢字への造詣を深めてみてください。
「凸む」とは何とよむ?
「凸む」の読み方をご存知でしょうか? 「とつむ」「へこむ」ではなく……
正解は……
「つばくむ」です。
『小学館デジタル大辞泉』では、「突出する。凸凹がある。」と説明されています。「凸」という漢字には、「膨らんでいる」「突き出ている」という意味が含まれており、反対に、「凹」という漢字には「へこんでいる」という意味が含まれているそうです。
そのため、表面が滑らかではない状態のことを、「凹凸(おうとつ)がある」と表現することができます。また、インキがつく画線部を突起させた印刷版のことを「凸版(とっぱん)印刷」、道路のカーブミラーに使用されている鏡のことを「凸面鏡(とつめんきょう)」と言いますね。
「凸」という漢字は、突出部分そのものを指していると言えるでしょう。
「凸む」の漢字の由来は?
漢字というより、記号のように見えてしまう「凸」。常用漢字として使われていますが、元は中国から渡来した漢字であるとされています。中国でも意味は同じで、横から見た時に額が少し出ている様子を指すこともあるそうです。
また、若者言葉で、友達に突然電話をかけたり、家を訪ねたりするなどの突撃する行為を「凸(とつ)る」と表現することもあります。
みかんの品種・ポンカン
インド原産のみかんの一種であるポンカン。香りと甘みが強く、爽やかな味わいが特徴のポンカンですが、漢字表記にすると「凸柑」になることをご存知でしょうか? 「ポン」という発音は、インドの都市名「プーナ」に由来すると考えられています。また、ヘタの部分が突出しているため、「凸」という漢字が当てられたそうです。
そして、ポンカンと「清見(きよみ)」というみかんを組み合わせて作られたものが、「デコポン」ですが、こちらもヘタの部分が突出しているため、「凸ポン」と表記されることがあります。
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いかがでしたか? 今回の「凸む」のご紹介は、皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 「凸」は、突出していることを意味する漢字で、果物の特徴を表すためにも使用されているのがわかりました。
ポンカンやデコポンを見かけた際には、「凸む」の意味について思い出してみてくださいね。
文/とよだまほ(京都メディアライン)
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