ライターI(以下I):『どうする家康』第23回では、家康の実母於大の方(演・松嶋菜々子)の実兄水野信元(演・寺島進)が信長(演・岡田准一)によって粛清されました。
編集者A(以下A):甥である家康(演・松本潤)に警鐘を鳴らすシーン、義弟である久松長家(演・リリー・フランキー)とのやり取りなど、見どころ抜群でした。本編でも言及しましたが(https://serai.jp/hobby/1135938)、水野信元は知多半島という物流の要衝に領地を持つ大物です。信長にとって目障りな存在だったことは間違いありません。
I:序盤から登場した寺島進さんですが、家康の伯父として司司に登場して、その時々の家康が置かれた状況を解説する役割を果たしてくれました。時に家康に警鐘を鳴らし、時に信長に媚びへつらう。交通の要衝を抑えているとはいえ、小国の悲哀を感じさせるキャラクターでした。
A:その寺島さんからコメントが寄せられました。まずは衝撃的な粛清場面についてです。
「なぜ? なぜ?」と困惑しながら息を引き取った水野信元。肉体は死んで、あの世に行っても「なぜ? なぜ?」と彷徨い続けているだろうから、 成仏できていないのでは……。切な過ぎる。無念だ!
I:水野信元の心情を的確に捉えたコメントですね。さすが寺島さん。
A:そういえば、Iさんは『どうする家康』が始まる前に、寺島さんにインタビューしていましたよね?
I:はい、『サライ』2月号に掲載させて頂いたのですが、ちょうど撮影中で、衣装のまま取材に応じて頂きました。
戦国時代はおそらく、いろいろなことがとても早い展開で起こっていたと思うんですよ。瞬時にどちらにつくかを判断しなければならない。動物的な勘のようなものが大事だったんでしょうね。
と寺島さんが語っていたのが、印象に残っています。ドラマの中では、人生を博打としてとらえていた信元ですが、瞬間的な判断力に長けた人だったのだろうと寺島さんは言っていました。
A:なのに、どこかで間違ってしまったというわけですね。
【印象に残っているシーンについても語ってくれました。次ページに続きます】