正しい意味を理解し、適切に漢字が使えているのか、疑問を感じることが増えていませんか? 適当に漢字を使ってしまい、気付かないところで「恥をかいている」ということがあるかもしれませんね。

Google先生やデジタルデバイスの出現により、便利になった反面、情報の中身については十分な吟味が必要な時代になっております。あなたの“漢字の知識”は確かでしょうか? もう一度、確認しておいても良いかもしれません。

「脳トレ漢字」第78回は、「施行」をご紹介します。「○○法の施行」といった用例を目にしたことがあるのではないでしょうか。

脳トレ漢字の動画を見ながら“読んで書く”ことで、記憶力を鍛えながら、漢字への造詣を深めてみてください。

「施行」はなんと読む?

「施行」という漢字、読み方に心当たりはありますか?「せこう」とも読みますが……

正解は……
「しこう」です。

『小学館デジタル大辞泉』では、「法令の効力を発生させること」また「実際に行うこと、計画を実行すること」と説明されています。一般的な辞書では「しこう」の読みをとっていますが、「せこう」と読む場合もあります。これは、法律関連において「執行(しっこう)」と区別するため「せこう」と読む慣用があるからだとされています。

ただ、一般的には、工事を実施することを意味する「施工(せこう)」と区別するために、「しこう」の読み方が多く用いられています。

なお、仏教用語で「功徳のために僧などに物を施す」意味の「施行」は、「せぎょう」と読みます。

「施行」の漢字の由来とは?

「施行」を構成する漢字を一文字ずつ見ていきましょう。「施」は「計画を実際に行うこと」を、「行」は「実行すること」を意味しています。ちなみに「施」は音読みで「し」とも「せ」とも読むため、「しこう」と「せこう」どちらの読み方もできると考えられます。

「施行」と「施工」の違いは?

工事の実施を指す「施工」という言葉もまた、「施行」同様、「しこう」と「せこう」という二つの読み方があります。

「施工」も本来の読み方は「しこう」ですが、建築などの工事関係者などの間では慣例的に「せこう」という読み方が使用されています。

「施行」と「施工」は字が似ていてややこしいので、法律関係は「施行(しこう)」、工事関係は「施工(せこう)」と読み方を分けるのが一般的です。

***

いかがでしたか? 今回の「施行」のご紹介は皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 文脈に応じて、読み方が複数ある言葉は、混乱を招きやすいです。語源からきちんと意味を確認することで、覚えやすくなるのではないでしょうか。

来週もお楽しみに。

文/豊田莉子(京都メディアライン)
アニメーション/鈴木菜々絵(京都メディアライン)
HP:http://kyotomedialine.com
Facebook:https://www.facebook.com/kyotomedialine/

 

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