最近、パソコンやスマートフォンの普及により、自ら字を書く機会はめっきり減少してきました。その影響からか、「読めるけれども、いざ書こうとすると書けない漢字」が増えていませんか? 以前はすらすらと書けていたのに、と書く力が衰えたと実感することもありますよね。

動画を見ながら漢字の読み書きをすることで、脳のトレーニングとなります。また、この記事を通じて、読むこと・書くこと・漢字の意味を深く知り、漢字の能力を高く保つことにお役立てください。

「脳トレ漢字」第58回目は、「干魃」をご紹介します。農業に携わる方には馴染みの深い言葉かもしれません。

脳トレ漢字の動画を見ながら“読んで書く”ことで、記憶力を鍛えながら、漢字への造詣を深めてみてください。

■「干魃」はなんと読む?

「干魃」という漢字、読み方に心当たりはありますか? ある自然現象の名前です……

正解は……
「かんばつ」です。

『小学館デジタル大辞泉』では、「ひでり、特に農作物に必要な雨が長い間降らないこと」と説明されています。「干魃」が起こると、水が足りず、飲み水に困ったり、農作物が育たなくなったりするだけでなく、乾燥により山火事が起きたり、病気が蔓延したりと大きな被害が発生します。日本では梅雨または台風による雨が少ないと「干魃」になりやすいと言われています。

■「干魃」の漢字の由来とは?

「干魃」を構成する漢字を一文字ずつ見ていきましょう。「干」は「かわくこと」を、「魃」は「ひでり、ひでりの神」を意味します。

「干魃」には「旱魃」という別表記もあります。「旱」は「魃」と同様、「ひでり」という意味です。「日で干(ほ)される」という構成のこの字は、まさに「旱(ひでり)」の現象を表現していますね。

ただ、「旱魃」はどちらの字も常用漢字ではないため、一般的には簡単な「干ばつ」という表記が使用されています。

■「干魃」と「干害」の違いは?

「干魃」と「干害」の違いはご存知でしょうか? 実は両者には言葉の上で微妙な違いがあるのです。

「干魃」は雨が降らないことによる“水不足の状態”を指すのに対し、「干害」は「干魃」により“被害が及んでいること”を指します。気象現象として見れば同じですが、指している対象が異なります。例えば、農地等が存在しない地域であれば、どれだけ「干魃」が発生しても、「干害」にはなりません。

言葉の細かな違いをしっかり押さえて、使いこなしましょう。

***

いかがでしたか? 今回の「干魃」のご紹介は皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 「恵みの雨」は、私たちの生活に欠かせないものだと改めて思わされますね。

来週もお楽しみに。

文/豊田莉子(京都メディアライン)
アニメーション/鈴木菜々絵(京都メディアライン)
HP:http://kyotomedialine.com
Facebook:https://www.facebook.com/kyotomedialine/

 

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