歳をとるというのは厄介なものですよね。周りからは、年相応に物知りなどと思われたりして…。うっかり漢字の読み方なんか間違えたりしますと、とっても恥ずかしい思いをするなんてこともあるかもしれません。

脳の方は、若い時のようにパッパと記憶中枢からひっぱり出せなくなってきているかもしれませんが、「歳をとってきちゃって、なかなか思い出せなくて…」なんて言い訳をするようでは、サライ世代の沽券に関わる?

そんなことにならないように、動画を見ながら漢字の読み書きをすることで、脳のトレーニングとなります。

「脳トレ漢字」第69回目は、「柳葉魚」をご紹介します。北海道の太平洋沿岸に生息し、プチプチとした卵も美味しいあの魚です。

この記事を通じて、読むこと・書くこと・漢字の意味を深く知り、漢字の能力を高く保つことにお役立てください。

「柳葉魚」はなんと読む?

「柳葉魚」という漢字、読み方に心当たりはありますか? そのまま読めば「やなぎばうお」ですが……

正解は……
「ししゃも」です。

『小学館デジタル大辞泉』では、「キュウリウオ科の海水魚。秋、北海道の太平洋沿岸の河川に上って産卵する」と説明されています。世界中でも北海道南部の太平洋沿岸の一部でしか獲れない、日本固有の魚です。

ただ、現在では漁獲高の減少のため、輸入品のカラフトシシャモ(カペリン)が「ししゃも」として食卓に上ることが多くなっています。

「柳葉魚」の漢字の由来とは?

続いて、「柳葉魚」の漢字の由来をみていきましょう。

北海道のアイヌ民族には、「ししゃも」はアイヌの神様によって“柳の葉”から作られた魚だ、という伝説があります。そこから、一般的に「ししゃも」を「柳葉魚(柳の葉の魚)」と書くようになったと考えられています。

この魚を“柳の葉”と捉える由縁には、神様が柳の葉が水に落ちて朽ちるのを哀れんで魚にしたという話や、食糧に困った人々のために神様が柳の葉を魚にしたという話など、諸説あります。

なぜ「柳葉魚」と書いて、「ししゃも」と読むのか?

アイヌ民族の言い伝えから「柳葉魚」という漢字が広まったことが分かりました。同時に「ししゃも」という読み方もまた、アイヌ民族に由来しています。

「ししゃも」は、アイヌ語で「柳」を意味する「スス(シュシュ)」と、「葉」を意味する「ハム」を組み合わせて、「susuham=スス・ハム(もしくはシュシュ・ハモ)」と呼ばれていました。

この「スス・ハム(もしくはシュシュ・ハム)」の音が変化して、「ししゃも」という言葉が生まれたのです。漢字本来の読み方からは「ししゃも」と読めない「柳葉魚」ですが、由来を知れば納得できます。

***

いかがでしたか? 今回の「柳葉魚」のご紹介は皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 秋の深まりを感じさせてくれる「柳葉魚」。言葉の由来を知ることで、より一層美味しさが引き立つのではないでしょうか。

来週もお楽しみに。

文/豊田莉子(京都メディアライン)
アニメーション/鈴木菜々絵(京都メディアライン)
HP:http://kyotomedialine.com
Facebook:https://www.facebook.com/kyotomedialine/

 

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