字画も少なく、しょっちゅう目にする簡単な漢字。読めそうなのに、いざ声に出して読もうとすると、正しく読めるかどうか心配になって、思わず声を細めてしまう漢字ってありませんか?
サライ世代ともなりますと、いったん思い込み認知をしておりますと、なかなかイニシャライズ(初期化)が難しいですよね。簡単な漢字であっても、脳トレ漢字の動画を見ながら確認学習をしていただくことで、思い込み認知をイニシャライズできる機会になると思います。
「脳トレ漢字」第65回目は、「女郎花」をご紹介します。黄色くて可愛い花を咲かせる、秋の七草の一つです。
また、この記事を通じて、読むこと・書くこと・漢字の意味を深く知り、漢字の能力を高く保つことにお役立てください。
「女郎花」はなんと読む?
「女郎花」という漢字、読み方に心当たりはありますか? 普通に音読みすれば「じょろうばな」ですが……
正解は……
「おみなえし」です。
『小学館デジタル大辞泉』では、「夏の終わりから秋に、黄色の小花を多数傘状につける多年草」と説明されています。小さな黄色い花が集まった房と、枝まで黄色に染まった姿が特徴的です。開花時期は7~10月頃で、萩やすすきと同じく「秋の七草」のひとつに数えられます。
「女郎花」の漢字の由来とは?
「女郎花」を構成する漢字の由来を知るために、名前の由来を確認していきましょう。
「おみなえし」における「おみな」とは、古語で「美人」のことを意味します。そして「えし」とは「へし(圧)」、つまり「圧倒する」という意味です。つまり、花の様子が美女をも圧倒する美しさだったことから、この名前がつけられたと考えられています。「女郎」は「若い女性、高貴な女性」を表す言葉です。
また、もち米で炊くご飯のことを「男飯」といったのに対し、粟飯のことを「女飯(おみなめし)」といったことから「おみなえし」になったという説もあります。「女郎花」が咲かせる小さな黄色い花が粟粒に似ていることに由来しています。
どちらの由来にせよ、美しい花が女性を思い起こさせることから「“女郎”の花」と呼ばれたといえます。
「女郎花」と似ている花「男郎花」とは?
女郎花の対となる存在として「男郎花(おとこえし)」という花があるのをご存知でしょうか? この2つの花の姿形はとても似ていることから、それぞれ男女を割り振って、対の存在とされています。「男郎花」は、「女郎花」よりも背丈が一回り大きく、白い花を咲かせる植物です。花の形は似ていますが、白い花なら「男郎花」、黄色い花なら「女郎花」と見分けることができます。
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いかがでしたか? 今回の「女郎花」のご紹介は皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 風に揺られる「女郎花」を見て、秋の風情を楽しんでみてはいかがでしょうか。
来週もお楽しみに。
文/豊田莉子(京都メディアライン)
アニメーション/鈴木菜々絵(京都メディアライン)
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