最近、パソコンやスマートフォンの普及により、自ら字を書く機会はめっきり減少してきました。その影響からか、「読めるけれども、いざ書こうとすると書けない漢字」が増えていませんか? 以前はすらすらと書けていたのに、と書く力が衰えたと実感することもありますよね。
動画を見ながら漢字の読み書きをすることで、脳のトレーニングとなります。また、この記事を通じて、読むこと・書くこと・漢字の意味を深く知り、漢字の能力を高く保つことにお役立てください。
「脳トレ漢字」第39回目は、「諫言」をご紹介します。目上の人に対する行為のことです。
脳トレ漢字の動画を見ながら“読んで書く”ことで、記憶力を鍛えながら、漢字への造詣を深めてみてください。
■「諫言」はなんと読む?
「諫言」という漢字、読み方に心当たりはありますか? 「ちゅうげん」ではありません……
正解は……
「かんげん」もしくは「いさめごと」です。
『小学館デジタル大辞泉』では「目上の人の過失などを指摘して忠告すること。また、その言葉」、『日本国語大辞典』では「禁じたこと。禁じた言葉」と説明されています。
単なる注意や進言ではなく、年上や目上の人など立場が上の人に対し、年下など目下の者が進言する事が「諫言」です。今では「注意」と同じような印象を受けますが、戦国時代など上下関係が絶対的であった時代においては、言葉のニュアンスに明確な違いがありました。そのため、歴史小説では「諫言」が多用されています。
■「諫言」の漢字の由来とは?
「諫言」を構成する漢字を一文字ずつ見ていきましょう。「諫」は「人の誤りを正すように忠告すること」を、「言」は「ことば」を意味します。
「諫」は「いさめる」と読むので、「諫言」は訓読みで「いさめごと」とも読みます。
■「諫言」と似ている? 「讒言」の読み方は?
「諫言」と音と形が似ている言葉として、「讒言」が挙げられます。この漢字の読み方に心当たりはありますか?
正解は……
「ざんげん」です。
「讒言」は「事実を曲げたり、ありもしない事柄を作り上げたりして、その人のことを目上の人に悪く言うこと」です。目上の人に進言する、という点では「諫言」と共通していますが、「讒言」は自分の利益や保身を目的し、「諫言」は目上の人の改善を目的としています。
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いかがでしたか? 今回の「諫言」のご紹介は皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 「諫言耳に逆らう」ということわざにもあるように、指摘や注意は素直に受け入れがたいものです。しかし、こうした言葉をかけてくれる人が周囲にいるとすれば、それはとても貴重で、恵まれているとも言えるのではないでしょうか。
来週もお楽しみに。
文/豊田莉子(京都メディアライン)
アニメーション/貝阿彌俊彦(京都メディアライン)
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