「あれ? なんて漢字だったっけ」と悩むことが多くなっていませんか? 少しだけ思い出す努力をしてみるものの、結局は「まあ、いいか」と諦めることもあったりして、記憶の衰えを実感することもあるのではないでしょうか? しかし、思い出すことが記憶力の鍛錬につながると言われています。
動画を見ながら漢字の読み書きをすることで、脳のトレーニングとなります。また、この記事を通じて、読むこと・書くこと・漢字の意味を深く知り、漢字の能力を高く保つことにお役立てください。
「脳トレ漢字」第28回目は、「弑逆」をご紹介します。「クーデター」と似た意味の言葉です。
脳トレ漢字の動画を見ながら“読んで書く”ことで、記憶力を鍛えながら、漢字への造詣を深めてみてください。
■「弑逆」はなんと読む?
「弑逆」という漢字、読み方に心当たりはありますか? 「弑」の字が読み間違えやすいです……
正解は……
「しぎゃく」です。
「しいぎゃく」は「しぎゃく」の慣用読みであり、正式には「しぎゃく」になります。『小学館デジタル大辞泉』では、「主君や父親を殺すこと」と説明されています。臣下である光秀が主君である信長を「弑逆」したのが、「本能寺の変」ですね。
■「弑逆」の漢字の由来とは?
「弑逆」を構成する漢字を一文字ずつ見ていきましょう。「弑」は「臣下が主君や親など、目上の者を殺すこと」を、「逆」は「さからうこと」を意味している漢字です。よって、「弑逆」は「主君や父親を殺すこと」を指します。「目上の人を殺すこと」には、「それにとって代わる」という意味も含まれています。
■「弑逆」の関連語「簒奪」・「股肱の臣」は何と読む?
「弑逆」に関連して、日常生活ではあまり使わない言葉をいくつかご紹介していきます。歴史小説などで見かけた時にさらっと読めるとかっこいいですね。
まずは「簒奪」です。この漢字の読み方に心当たりはありますか?
正解は……「さんだつ」です。帝王の位、政治の実権などを奪い取ることを意味します。「弑逆」と似ていますが、「簒奪」は必ずしも相手を殺しているとは限りません。暴力や政治的圧力などで奪い取る場合も含まれています。
次に「股肱の臣」です。この漢字の読み方に心当たりはありますか?
正解は……「ここうのしん」です。最も信頼できる家臣・部下のことを表します。「股」は足のもも、「肱」は腕のひじのことです。どちらも人が動くために大切な部分であることから、なくてはならない大事なものを意味します。
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いかがでしたか? 今回の「弑逆」のご紹介は皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 慣用読みと正式な読みを区別して覚えておきたいですね。
来週もお楽しみに。
文/豊田莉子(京都メディアライン)
アニメーション/貝阿彌俊彦(京都メディアライン)
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