取材・文/ふじのあやこ
家族の中には、血縁のない『義(理の)家族』という間柄がある。結婚相手の親族関係を指すことが一般的だが、離婚件数が増える現在では、親の再婚相手や、再婚相手の連れ子など、家族の関係は複雑化している。血のつながりがないからこそ生じる問題、そして新たに生まれるものも存在する。義家族との関係を実際に持つようになった当事者にインタビューして、そのときに感じた率直な思いを語ってもらう。
今回お話を伺った、亜由美さん(仮名・40歳)は、20代のときに結婚と離婚を経験、そして34歳のときに再婚して、現在は都内で旦那さまと2人の子どもとの4人暮らしをしています。亜由美さんは義母から、自身の親のことにまで執拗に干渉を受けているとのこと。
「私は一人っ子で、父親は夫と結婚する前に病気で亡くなっていて、実家には母親が1人で暮らしています。母親は1人で父が残してくれたお金もあって楽しく暮らしているんですが、ずっと働き続けている義母から、老後の面倒について余計な心配をされていて……」
遅くにできた子で父親からは溺愛されて育った
亜由美さんは東京都内出身で、両親との3人家族。両親の年齢差は8歳、亜由美さんは遅くに生まれた子で小さい頃から可愛がられていたと言います。
「両親の出会いはお見合いです。詳しくは聞いていないんですが、お互いの親族間でお見合いの機会が設けられてそのまま結婚したそう。父親はギリギリ20代での結婚で、母親はまだ若かったものの流産をしてしまったりと長年子どもが授からなくて、私は母親が30代、父親が40代になってからの子どもです。母親にはそれなりに厳しく躾けられた記憶がありますが、父親は私にすごく優しかったです。怒られた記憶なんてまったくありません。母親に怒られて泣いているとお菓子を持って慰めに来てくれるような父でした」
一人っ子だったものの親族に囲まれている環境で、兄妹がいない寂しさはあまり感じたことがなかったとか。
「近所に親族が住んでいて、従姉弟がいっぱいいたんですよ。特に2つ上の従姉とはいつも一緒に遊んでいましたね。従姉のお姉さんは4人兄弟で私もその輪に混ざっていた感じです。そのお姉さんの母親は、私の母の姉で2人の仲も良かったので、2人母親がいるような感じでした。悪いことをすると2人から思いっきりぶたれることもありました(苦笑)。そんなときも父親だけが味方でしたね」
【亡き父親が認めてくれたのは今の夫。今度こそ失敗しないと誓えた。次ページに続きます】