正しい意味を理解し、適切に漢字が使えているのか、疑問を感じることが増えていませんか? 適当に漢字を使ってしまい、気付かないところで「恥をかいている」ということがあるかもしれませんね。
Google先生やデジタルデバイスの出現により、便利になった反面、情報の中身については十分な吟味が必要な時代になっております。あなたの“漢字の知識“は確かでしょうか? もう一度、確認しておいても良いかもしれません。
「脳トレ漢字」第37回目は、「花篝」をご紹介します。花の中でも特に、春に有名なあの花に関係する言葉です。
脳トレ漢字の動画を見ながら“読んで書く”ことで、記憶力を鍛えながら、漢字への造詣を深めてみてください。
■「花篝」はなんと読む?
「花篝」という漢字、読み方に心当たりはありますか? 夜の花見に使われるものです……
正解は……
「はなかがり」です。
『小学館デジタル大辞泉』では、「夜桜を観賞するために焚くかがり火」と説明されています。
「花篝」といえば、京都府の円山公園が有名です。メラメラと燃える炎に照らされた夜の桜は幻想的で、観る人の心を惹き付けてやみません。
今の夜桜はライトアップが主流ですが、円山公園では現在も実際の炎を使った「花篝」を見ることが出来ます。
■「花篝」の漢字の由来とは?
「花篝」を構成する漢字を一文字ずつ見ていきましょう。「花」はこの場合「桜の花」のことを指します。そして「篝」は、「火をたく鉄製のかご」という意味です。
「篝」は、古来の照明具の一つです。夜間の照明は、移動する場合は松明を、固定する場合は篝を使いました。「篝」で焚かれる火なので「かがり火」と呼ばれます。何かを燃やしたり、調理したりするための火ではなく、夜間の灯りとしての火が「かがり火」だと言えます。
■桜に関する難読漢字「花筏」は何と読む?
「花篝」と同じく桜に関する言葉、「花筏」をご紹介します。この漢字の読み方に心当たりはありますか?
正解は……
「はないかだ」です。
「花筏」は、散った桜の花びらが、川面一面を覆い帯の様に流れる姿を、筏(いかだ)に見立てた言葉です。言葉を聞いただけで情景が浮かんでくるかのような、日本語の美しさが表れていますね。
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いかがでしたか? 今回の「花篝」のご紹介は皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 桜を愛する日本人の気持ちは、昔も今も変わりませんね。桜を観ながら、そんな日本語の美しさに思いを馳せるのも良いのではないでしょうか。
来週もお楽しみに。
文/豊田莉子(京都メディアライン)
アニメーション/貝阿彌俊彦(京都メディアライン)
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