松永久秀「敵の敵は味方」で足利義昭と組む

『麒麟がくる』第33話では、筒井順慶(演・駿河太郎)と将軍足利義昭(演・滝藤賢一)の急接近で面目を潰され憤慨する松永久秀(演・吉田鋼太郎)。(画像は第24話より)

一方、まだティーンエージャーのころから筒井家の命運を背負って戦い続けてきた順慶からすれば、苦心惨憺の末に父祖以来の居城を取り戻したわけで、その喜びを噛みしめていたはずだ。

その後、同年の10月、順慶は明智光秀の斡旋を受けて信長に臣従。久秀も佐久間信盛を通じて信長に臣従したため、この年の離れたライバルは、光秀・信盛の仲介で和睦したとされている。しかし、これは『増補筒井家記』という後世の軍記物に書かれている記述なので、信憑性については疑問が持たれている。

大和国の支配をめぐる、筒井順慶と松永久秀の、めまぐるしく攻守入れ替わる戦いの様子は、三木市立みき歴史資料館の金松誠さんの研究に詳しい。

金松さんによれば、翌元亀3年には、久秀と信長との関係は破綻し、「織田方の筒井順慶VS.松永方」という戦いの構図となり、さらに翌天正元年(1573)になると、将軍足利義昭と信長との関係も決定的に悪化。敵対関係となったため、「敵の敵は味方」ということで、義昭と久秀が接近。大和国は「信長・順慶VS.義昭・久秀」という対抗図式になっていったという。

その後、久秀は信長に降伏するが、天正5年(1577)に再び信長に反旗を翻し、信貴山城に籠城する。これを攻める織田軍の主将は信長嫡男の信忠。主力となったのは筒井順慶の軍勢だった。すでに順慶は織田方の部将として実績を上げ、さらに信長の娘(もしくは妹)を妻として迎えるなど、織田家中での立ち位置を確保し、大和国の事実上の国主となっていた。

その5年後、信長は本能寺の変に倒れ、信長を討った明智光秀は、細川忠興とともに筒井順慶が味方に付いてくれるものと頼りにしていた。しかし、忠興も順慶も、ついに動かなかった。そのあたりの事情については、また機会を改めたい。

安田清人/1968年、福島県生まれ。明治大学文学部史学地理学科で日本中世史を専攻。月刊『歴史読本』(新人物往来社)などの編集に携わり、現在は「三猿舎」代表。歴史関連編集・執筆・監修などを手掛けている。 北条義時研究の第一人者山本みなみさんの『史伝 北条義時』(小学館刊)をプロデュース。同書は現在、鋭意編集中。

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