知っておきたいファイナンシャル・プランニングの基本を、お金について学んでいる金子さんがFP( ファイナンシャル・プランナー) から教わるミニコラムです。ライフステージに合わせて、人生100年時代の観点から「戦略」を考えていきます。

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Q:人生100年って言うけど、お金のことって考え直さないといけないの?

どうやら日本人は100歳まで生きる可能性が高いらしいが、お金の使い方や貯め方を変える必要もあるって本当?
疑問を持った金子さんがFPに問いかけると、以下のような返事が届きました。

金子さんとは?
出版社勤務の30代。社内異動でこの春から経済誌担当になったもののお金のことはさっぱり…。「人生100年」や「老後資金2,000万円不足問題」をキーワードに取材を重ねる中、自身のお金の知識に不安を感じるように。FPにレクチャーを受けながら、目下お金の勉強中。

お金の対策は、稼ぐ・使う・育てるの総力戦

人生100年とは、60歳以降の老後生活が40年と長期間に及ぶ可能性があるということです。これは人生80年だった時代(老後生活20年間)の倍の長さです。老後生活が長くなるということは、健康寿命はもちろんのこと資金寿命をいかに伸ばすかがとても重要になってきます。

日々の暮らしには言うまでもなく毎日お金がかかります。老後生活では現役時期と比べ交際費など支出を多少抑えることは可能ですが、生活費などはさほど変わらず大きな支出減は見込めません。

一方、収入はどうでしょうか。老後生活は20年延びたものの、一般的な退職年齢は65歳になり、収入が見込める期間はせいぜい5年延びた程度です。しかも60歳以降の再雇用期間は基本的に収入が大きく減少します。単純に考えてこれまで通りのお金のやりくりでは、資金寿命は早くに尽きてしまうことが想像できます。

つまり、人生100年を生き抜くためには、私たち皆がお金のことを考え直さなければなりません。ポイントは「稼ぐ」「使う(管理する)」「育てる(運用する)」の3つで、この3つについて考え直し対策を実行する必要があります。より効率的に対策効果を得るためには3つの総力戦が必要不可欠です。

具体的な対策内容

「稼ぐ」については、60歳以降も可能な限り長く就業することを通して社会と接点を持ち、収入を得続けることが資金寿命だけでなく健康寿命の対策にも繋がります。収入額の大小よりも長期間就業することが資金寿命に効いてきます。

「使う(管理する)」で意識をしたいことは、自分のお財布事情に合った、身の丈に合ったお金の使い方です。今使うお金と将来使うお金(貯蓄や運用)とのバランスを常に取ることが大切です。

そしてこの低金利時代は、銀行にお金を預けるだけではなく、リスク分散・時間分散・長期運用しながらお金を「育てる(運用する)」ことがお金の対策に欠かせません。

いずれもできるだけ早い時期から考え、計画し、実行することが人生100年の明暗を分けるといっても過言ではありません。

まずは現状把握から

何事もそうですが、まずは自分で自身の現状を把握するとともに、将来のことを思い描き実現に向けて計画を立ててみることが大切です。
何から始めればよいかわからないという人は、日本FP協会HP内の便利ツール(https://www.jafp.or.jp/know/fp/sheet/)を使ってみることをおすすめします。4つのツールに自分の状況を埋めてみると対策を打つべき項目が具体的に見えてくるでしょう。

[2020年4月号より]

※本記事は日本FP協会の“人生100年時代”お金の「戦略」立てていますか?(https://www.jafp.or.jp/know/lifeplan/100years_strategy/)のミニコラムより構成しています。
※原則として執筆当時の法令・税制等に基づいて書かれたものをそのまま掲載していますが、一部最新データ等に加筆修正しているものもあります。
※コラムニストは、その当時のFP広報センタースタッフです。本コラムは執筆者個人の見解を掲載したものであり、日本FP協会としての意見・方針等を示すものではありません。

 

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