たしかに熱中症で倒れてから漢方薬を飲むという考えにはならなさそうですね。では、そもそも熱中症にかかりにくいように、熱証(ねっしょう)というタイプでは体質改善にむけて生活習慣をどのように変えていけばよいでしょうか?医学博士で薬膳の専門家である宗形先生にお聞きしました。
「身体を冷やすことが重要です。身体の中の熱を逃がすような軽く汗をかく程度の運動をして、食事では身体を冷す食材(苦瓜・バナナ・くちなしの実など)を取り入れ、身体を温める食材(唐辛子・山椒・ビールを除く酒など)の過食はできるだけ控えるようにしましょう。
身体を冷やすような、熱証(ねっしょう)におすすめの薬膳レシピはなんですか?
「『くちなし浅漬け』はいかがでしょうか? クチナシの実は漢方では山梔子(さんしし)と呼び、身体を冷す目的で使用しています。黄色い色と少し苦みのある味が特徴です。
おすすめ薬膳レシピ:くちなし浅漬け
材料(2人分)
くちなしの実 3g
白菜 1/8個
セロリ 1本
なす 1本
塩昆布 8g
昆布だし麺つゆ(3倍濃縮) 大さじ1
こちらの詳しい薬膳レシピはこちらから ⇒ http://www.kampodesk.com/special_recipes/47
今回は熱中症予防について漢方医学的視点による予防法を取り上げてみました。
気になる養生法があれば、ぜひ取り入れてみてくださいね。
文/葉山茂一(はやま・しげかず)
漢方デスク株式会社代表取締役。漢方・薬膳の総合ポータルサイト「漢方デスク(http://www.kampodesk.com)」を企画・運営。
取材協力/渡辺賢治(わたなべ・けんじ)
慶應義塾大学環境情報学部教授医学部兼担教授。漢方デスクの漢方医学監修を務める。
取材協力/宗形佳織(むなかた・かおり)
医学博士・薬剤師(漢方薬・生薬認定薬剤師)・鍼きゅう師。漢方デスクの薬膳アドバイザーを務める。
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