厚生労働省が発表した「世界の平均寿命ランキング」(2014年)によると、日本の男性は80.5歳で3位となっています。そして男性の1位は、なんと81.17歳で「香港」なのです。
この数字だけ見ると、日本と香港は僅差のように見えますが、昨今話題の「健康長寿」の観点からみると、健康上の問題で日常生活が制限されずに生活できる期間、いわゆる「健康寿命」は、日本では男性が約9年、女性が約13年、それぞれ平均寿命より短くなるそうです。つまり、日本は晩年動けなくなる人が多いという状況なのです。
では「健康長寿世界一」の香港人たちの元気を支えているものは、一体何なのでしょう?
香港在住30年、香港人に嫁いで25年の中医美容学博士・楊さちこさんは、「香港の人は元来、冷たいものをとりません。食事の前には必ず“温かいスープ”がお約束です。そのスープを気候や体調に合わせることで健康維持しているのです」と語ります。
そんな楊さちこさんに、「基本のチキンスープ」の作り方を教えていただきました。
「わが家(楊家)でいつも作っている、基本のスープです。市場で調達した新鮮な鶏、丸一羽でとるのが、香港流ですが、丸鶏が手に入らなければ部位別に売られているものでもOKです」(楊さん)
◎材料(作りやすい分量)・・・丸鶏1羽、水2リットル、塩少々、生姜2スライス
◎作り方・・・丸鶏と水を鍋に入れて沸騰させ、生姜スライスを入れる。再沸騰したら中火にし、塩を入れ、必ずふたをして、少なくとも30~45分煮て完成。
ちなみに楊家では、脂分を減らすために、鶏の皮をとってスープをとるとのこと。「このレシピでは水量が少ないと思うかもしれませんが、鶏の味がしっかり出ます。塩もできれば薄味のほうが鶏の旨みを感じられます」(楊さん)
「基本のスープは、一度にたっぷり作るのがオススメです。冷蔵や冷凍保存で常備しておけば、毎日気軽に飲めるだけでなく、季節の流れに沿った具材を足すことで、その季節に起こりやすい不調対策もできるのです」と楊さん。スープだけでなく、出汁を取った後の肉も料理に使えるとのこと。
基本のチキンスープを使った、季節ごと・体調ごとに合わせたレシピについては、楊さちこさんの近著『世界一の養生ごはん』(小学館)に数多く紹介されています。書店等でぜひご覧ください。(※下の表紙をクリックすると試し読みできます)