たしかに、飲み過ぎたときの二日酔いの症状にぴったりあてはまりますが、これはどんな状態なのでしょうか。
「上に挙げた症状以外にも、突然の動悸・頭痛がある、手のひらや足の裏に汗をかきやすいといった症状が中心の状態です。胃の中身は胃の下にある腸に向かって進むのが正常な方向ですが、それが逆向きになったために、上に嘔吐してしまったり、のぼせがでると考えるのです。
漢方薬としては半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)というお薬が挙げられます。通常のドラッグストアの漢方薬コーナーで手に入りますので、薬剤師さんかお店の方にお尋ねください」
なるほど、状態に合わせた対策というものがあるということですね。いかにも漢方薬という名前ですね。
「いきなりお薬はちょっとという方には、生活習慣の改善から取り組まれるのはいかがでしょうか?」
そう話すのは医学博士で漢方研究にも携わる宗形先生。
「この気逆証(きぎゃくしょう)+熱証(ねつしょう)の時には、リラックスできる時間を作る、休息をとる、適度な運動をする、アロマテラピーを行う、気の逆流を治す食材(蕎麦・大根など)・気を巡らせる食材(紫蘇・薄荷・みかんなど)・身体を冷す食材(瓜・バナナ・くちなしの実など)を取り入れるといったことが勧められます。また逆に、過度の緊張・焦り・心配、過度の運動、大きな気温変動がある環境に身を置く、身体を温める食材(唐辛子・にら・羊肉など)の過食は避けた方が良いでしょう。漢方デスクでは以下の薬膳料理のレシピをお勧めしています」
次のページでは薬膳料理のレシピを紹介。