文/藤原邦康
ダイエットには”ダラダラ”食いから”メリハリ”ある食習慣への切り替えが重要!
早いもので2020年も2か月が経過しました。私は昨年末から年頭にかけてつい気が緩み3kgほど体重を増やしてしまいましたが、幸い1か月半ほどで元の体重に戻すことができました。せっかくですので、私が短期間で無理なく3kg痩せたダイエット法をご紹介していきます。以下、決して「上から目線」ではなく、あくまで私自身の反省に基づいて記していきます。

年末年始はクリスマスや忘・新年会などで会食の機会も増え、つい食べ過ぎてしまうもの。外出すれば誘惑が多いし、寒いから家にこもっていても体を動かさないため太りやすくなり困ったものです。何より良くないのは惰性で食べること。おせち料理や「こたつミカン」「こたつアイス」のような間食のダラダラ食いなどが災いして、食のリズムが崩れやすくなります。一方、「お昼だから」「夕飯の時間だから」と規則正しい食生活をしている人も実は要注意…。食事どきなのは分かりますが、定時になったからと言っても本当に毎回お腹が空いているでしょうか?

惰性で食べても時刻通り食べても、「お腹が空いたから食べる」から「満腹でなくなったから食べる」という食習慣が生まれやすくなります。自動車に例えると「ガス欠寸前だから」ではなく「満タンじゃなくなったから」給油しておこうという行動パターンです。「もしも」の時に備えて、補給の機会を見つけたら「とりあえず」蓄えておこうという思考に陥ります。

結果、ダラダラ食いになり、大した量を食べているつもりはなくても次第に過食気味になっていきます。体脂肪はもともと饑餓に備えるための組織ですから「食べられる時に食べておこう」というのは確かに生存欲求に基づく理にかなった行動とも言えます。でも、今の時代「念のための補給」というのは多くの場合であくまでも言い訳…。「もしも」のケースは頻繁にやってくるわけではありません。災害に備えることは大切ですが、優れた保存食が多くある現代では食べ物のストックは手が届くところに保管すれば良く、必ずしも自分のお腹に備蓄する必要はありませんね。

対策は行動マネージメントによって「とりあえず」の“ダラダラ”食いから“メリハリ”ある食習慣に切り替えることです。冬は太りやすい行動が生まれやすい季節ですから、行動パターンや習慣を見直すことが重要ですね。とは言え、一度出来上がった思考の惰性を変えるのはコンクリートを砕くのと同様で誰にとっても難しいもの…。なぜなら、人には「現状維持バイアス」という変化を嫌う性質があるからです。

実は、「意志の力」も満タンとガス欠の状態があります。1999年のスタンフォード大学でBaba Shiv博士が興味深い実験をしました。この実験では、大学生に数字を暗記させて頭を使わせた後に間食を選ばせると健康的なサラダよりもケーキの誘惑に負けやすくなることが実証されました。つまり、脳を使うほど疲れて思考力が弱くなるのです。意志の力は耐久性がなく瞬発力に優れています。使うたびに消費されて弱まるので、過食を意志や根性で我慢するのはピンポイントに絞るべきです。「食べるべきかどうか」頭で考えなくても良いように、当たり前にできる習慣を身につける方が得策です。習慣を変えることは難しいですが、一定期間続けて行けば次第に新しい習慣が定着してきます。

ここで朗報ですが、実は冬場は基礎代謝が上がり痩せやすい季節でもあります。筋肉を収縮させて体を震わせ体温を上げる機能が働くからですね。凍えそうになると、アゴが震えて奥歯をカチカチかみ合わせるのも首回りを冷やさないための本能です。首をすくめて猫背になるのも寒さに抗うために、血流を滞らせて体温を逃さないようにため。よって、冬場は食いしばり癖が強化されて肩こりが起きやすいのです。アゴに力が入ると、雑な食べ方になってしまいます。ですから、食前にアゴや首周りの緊張を緩めることが、丁寧に噛んで食べるために有効です。次回から具体的な方法をご案内していきますね。

文/藤原邦康
1970年静岡県浜松市生まれ。カリフォルニア州立大学卒業。米国公認ドクター・オブ・カイロプラクティック。一般社団法人日本整顎協会 理事。カイロプラクティック・オフィス オレア成城 院長。顎関節症に苦しむアゴ難民の救済活動に尽力。噛み合わせと瞬発力の観点からJリーガーや五輪選手などプロアスリートのコンディショニングを行なっている。格闘家や芸能人のクライアントも多数。著書に『自分で治す!顎関節症』(洋泉社)がある。

 

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