その漢方薬は、どんな漢方薬なのでしょうか?
「疎経活血湯の中には様々な生薬が含まれており、複雑な病態に対して効果が期待されます。その中でも、特に瘀血と呼ばれる状態の方に使われることが多い処方といえるでしょう。処方の名前に活血と含まれていることからも、なんだか血の状態をよくしてくれそうですね。瘀血というのは、簡単にいうと血の巡りが悪い状態ですが、腰痛で悩んでいる方の中には血の巡りが悪いことでも悩んでいる方がたくさんいらっしゃるのです。
疎経活血湯に含まれる生薬の中でも特に、桃仁(とうにん)や牛膝(ごしつ)には血の巡りをよくする働きがあるとされています。桃仁はその名の通り、桃の種を割った中の部分(仁)を使用します。牛膝は雑草としてよく見かけるイノコズチの根を使用します。また、血の不足を補って血の巡りもよくしてくれる四物湯という処方が丸ごと入っているからも、血に対して働いてくれる薬であることがわかります」
その漢方薬を手に入れるにはどうしたらよいでしょうか?
「やはり漢方薬を手にいれるには漢方医を受診して診察を受け、処方してもらうのが一番です。疎経活血湯などは漢方薬局やドラッグストア、インターネットでもお求めいただけます」
今回は気になる腰痛に対しての漢方薬についてご紹介しましたが、その他の対策については次回ご紹介する予定です。
文/葉山茂一(はやま・しげかず)
漢方デスク株式会社代表取締役。漢方・薬膳の総合ポータルサイト「漢方デスク(http://www.kampodesk.com)」を企画・運営。
取材協力/渡辺賢治(わたなべ・けんじ)
慶應義塾大学環境情報学部教授医学部兼担教授。漢方デスクの漢方医学監修を務める。
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