夏の野菜といえばトマト。夏バテした時にトマトに助けられたという人も多いはず。
近年の研究で、トマトに多く含まれる栄養素の「リコピン」が健康や美容によいことが明らかとなり、一大ブームとなりましたよね。
でもこの栄養豊富なトマト、朝、昼、夜、いつ食べることが多いですか? 実は食べる時間帯によって栄養の吸収率が変わることがわかったんです!
■リコピンの吸収率が高い時間帯は朝!
カゴメが行った、トマトジュースの摂取時間帯が体内へのリコピン吸収に与える影響を調べた研究では、朝・昼・夜の時間帯のうち、トマトジュースからリコピンを効率よく吸収するのは“朝”であることが明らかになりました。
同研究では、健康な成人男女23名に朝(8時)・昼(12時)・夜(時)の各時間帯でトマトジュース160g(リコピン16mg)を飲んでもらい、 その後の血中のリコピン濃度を測定したところ、トマトジュースを朝に摂取すると体内に吸収されるリコピンの量がもっとも多く、次いで夜、昼という結果になりました。
この結果には食事をするまでの絶食時間の長さも関係しているようです。
とくに、朝に摂取して4 時間後、6 時間後では、昼に飲んだ時と比較して統計学的に有意な差が見られ、昼、夜と比べて長い時間、体内のリコピン濃度が高いことがわかりました。
■夏の朝食にはトマトを摂るべき3つの理由
ぜひ夏の朝食にはトマトやトマトジュースを摂って、乾いた身体にリコピンを効果的に取り込みたいですね。夏にトマトを摂ると以下のような利点がありますよ!
(1)夏のだるさを解消
リコピンの抗酸化作用が紫外線によって生じた活性酸素を消去して、夏のだるさ、疲労を取り払います。
(2)日焼けした肌のダメージを軽減
リコピンには日焼けによるシミやシワ、赤みを軽減してくれる働きがあります。朝に摂って日焼けを予防しましょう。
(3)ビタミン、ミネラルを補給する
夏は汗とともに体内のミネラルが奪われ、その結果、疲れやすくなったり、血圧が上がったりと体調不良のもとに。トマトは健康を維持するビタミンやミネラルもバランス良く含んでいます。
■生活習慣病にもよいトマト、効率的な摂り方は?
夏の疲れた身体を補助してくれるだけでなく、トマトのリコピンには血液中の悪玉コレステロール(LDL)が酸化するのを抑制したり、糖尿病や動脈硬化の予防・改善作用に効果的なホルモンである「アディポネクチン」の血中濃度を増加させたりと生活習慣病の予防も実証されているとのこと。
そのままカットして食べるよりも、トマトジュースのように加工したり、オリーブオイルなど油分と一緒に摂取したほうが、リコピンの吸収率が高まります。熱にも壊れにくいため、火を通した調理法もOKです。
まだまだ暑い日は続きます。食欲も落ちやすいこれからの季節には“朝トマト”。真っ赤なトマトで夏バテ対策していきましょう。
取材・文/庄司真紀