ドラッグストアで、よく目にする漢方薬。「苦いけど体によさそう」「葛根湯は知っているけど……」など、「そもそも漢方ってどんなもの?」と思っている人も多いのではないでしょうか。

そんな基本的な漢方に関する疑問や基礎知識を、漢方の専門家にわかりやすく解説してもらいます。第91回のテーマは、「麻黄湯(まおうとう)」です。あんしん漢方(オンラインAI漢方)の薬剤師、碇 純子さんに教えてもらいました。

麻黄湯とは?

まずは、麻黄湯の効能・効果や基本的な飲み方をご紹介します。

1.効能・効果

麻黄湯は、かぜやインフルエンザのひき始めに用いられる漢方薬です。体を温めて汗をかきやすくすることで、発熱や寒気、頭痛、ふしぶしの痛みなどの症状に働きかけます。

また、咳を止めて痰の排出を促す生薬が配合されているので、気管支ぜんそくにも使われることがあります。

2.基本の飲み方

麻黄湯は漢方薬のため、基本的に食前(食事の30分前)や、食間(食事から2時間後)のタイミングで服用する薬です。

飲み忘れた場合、一度に2回分をまとめて飲むことはせず、気がついた時点ですぐに1回分を服用します。薬を飲んだら、次の服用まで1日2回の場合は6時間以上、1日3回の場合は4時間以上の間隔をあけてください。

また、麻黄湯の体を温める作用を助けるために、できれば冷たい水ではなく、白湯で飲むのがおすすめです。

麻黄湯はどんな人におすすめ?

麻黄湯は、発汗を促すため、体力を消耗しやすい漢方薬です。そのため、体力があまりない人や、すでに汗をかいている人にはあまり向いていません。

以下では、麻黄湯がどんな人に向いているのか、具体的にご紹介します。

1.かぜのひき始めの人

漢方薬のかぜ薬としては葛根湯が有名ですが、かぜのひき始めで症状が強い場合は麻黄湯が向いています。

たとえば、熱が出ていてゾクゾクした寒気がする、咳が止まらない、ふしぶしの痛みや頭痛、腰痛があるときなどは、葛根湯ではなく麻黄湯がおすすめです。

2.インフルエンザの可能性がある人

麻黄湯は、インフルエンザの初期にも適応している漢方薬です。

市販のかぜ薬や解熱剤のなかには、インフルエンザのときに使えない成分が含まれているものもあります。インフルエンザの可能性があるが症状がつらく、受診前に薬を飲みたい場合は麻黄湯を選択肢に入れてもいいでしょう。

ただし、自己判断はせず、必ず専門家のアドバイスを聞いて服用しましょう。

3.発熱時に汗をかきにくい人

麻黄湯は発汗を促して、発熱や体の痛みなどの症状の早期改善に働きかけます。

発熱時に汗をかきにくく、いつも症状が長引いてしまうという人は、麻黄湯を服用することで早く治りやすくなる可能性があります。

麻黄湯に副作用はある? 安心して服用するには

麻黄湯のような漢方薬は、一般的に西洋薬よりも副作用が少ないといわれています。しかし、絶対に副作用が起こらないわけではありません。たとえば、副作用として、発疹やかゆみ、不眠、発汗過多、どうき、食欲不振、胃部不快感、排尿障害などの症状が報告されています。

まれに、偽アルドステロン症やミオパチーなどの重篤な副作用が起こることもあります。手足のだるさやしびれ、こわばりなどの異変を感じたときは、すぐに医療機関を受診しましょう。

副作用のリスクを低くするためには、ご自身の体質に合った漢方薬を選ぶことがポイントです。必ず、漢方医学を学んだ医師や薬剤師など、専門家のアドバイスを聞きましょう。

「漢方薬局が近くにない」「気軽に専門家のアドバイスを聞けるサービスはないの?」という人には、スマホひとつで診断から漢方薬の処方、購入まですべて完結するあんしん漢方のようなオンライン漢方サービスがおすすめです。

AI(人工知能)を活用した「オンライン個別相談」では、漢方のプロが体質に合った漢方を見極めてくれ、漢方薬がお手頃価格で自宅まで届きます。忙しい人も、手軽に利用しやすいサービスです。

●あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0167

かぜのひき始めに寒気がしたら麻黄湯がおすすめ

今回は、麻黄湯をご紹介しました。麻黄湯は、かぜのひき始めのゾクゾクとした寒気や発熱に効く漢方薬です。

漢方薬は効果・効能が幅広いのも魅力のひとつです。ただし、効果を実感するためには、漢方の専門家にご自身の体質や症状に合った漢方薬を選んでもらい、正しく服用しましょう。

さて、次回は「肩からくる頭痛には『釣藤散』」です。ぜひご覧ください!

<この記事を書いた人>

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師
碇 純子(いかり すみこ)
薬剤師・漢方薬生薬認定薬剤師
/ 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。

●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0167

●Medical Health CH:https://www.youtube.com/channel/UC7XLi90xVGs_NnKhowC0G2w

 

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