多忙な名医が長年続けるストレスフリー習慣

「医者の不養生」とは、もはや過去の話。

医療の逼迫や健康意識の高まりによって、多忙を極める名医たち。
自身の体調はもちろん、高い業務パフォーマンスを発揮するために、どんな「健康術」を実践しているのでしょうか。

登場する5人は、世界最新の医療データやエビデンスなどの「情報」に明るいだけでなく、患者や相談者らに日々接しており、「臨床経験」も豊富。10万部を突破するベストセラーも多数生み出し、健康増進に関心を持つ人たちのニーズも熟知しています。

共通するのは、時間もお金もかけず、無理なく負担なく「ほどほど」にできる方法を、長きにわたる「習慣」として、コツコツ実践していること。

今回は、「自然医療」の名医、川嶋朗先生の健康術を紹介します。

文/川嶋朗(「自然医療」の名医)

体を温める「温活」、血流改善

冷えは万病のもと。「体を冷やさない」ことは健康維持の第一歩です。昔から多くの人に勧めているのが「朝一杯の白湯(さゆ)を飲む」ことです。白湯なら体質に関係なく誰でも安心して飲めますし、何しろ余計なお金がかからないのが最大のメリット。お湯を沸かし、少し冷ましてから(体温より高ければ好みの温度でよい)ゆっくり飲みます。起きたてでまだ動きが鈍(にぶ)い胃や腸に温かい白湯が届くと、腸の働きが活発になり、代謝が上がって、体がポカポカとしてくるのが実感できるでしょう。

腸を温めることで老廃物の排出を促すこともできます。朝一杯の白湯習慣で長年の便秘が治ったと感謝されることもあります。

湯たんぽの活用もおすすめの「温活」(※)です。私は仕事中も太腿(ふともも)の上に湯たんぽを置いたり、腰の仙骨(せんこつ)あたりに当てたりします。

※:体を温めて冷えを改善する活動。

体全体を温めるためには、血流が多い部位を温めると効率的なので、筋肉が集中している下半身を温めましょう。温めて「気持ちいい」と感じるところを温めるのがコツです。

川嶋式「温活」による健康法

朝一杯の「白湯」を飲む

「湯たんぽ」で体を温める

温める以外では、心臓から遠いところにある手先や足先を刺激するのも、血流改善策になります。

足の裏でラップの芯を転がすだけの「足裏コロコロマッサージ」は私のお気に入りです。足は「第二の心臓」とも呼ばれ、全身の血流を促すポンプの役割を担っています。長時間のデスクワークの合間に行なうと足先から血流が良くなり、気分転換にもなります。

また、ぼんやりテレビを観ている間などに、手の指を組む動作をして血流を改善しています。じわじわと温まりますし、何より「気持ちいい」のでおすすめです。

川嶋式「血流の改善の仕方」

足裏コロコロマッサージ

手の指を組む動作

* * *

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川嶋朗(かわしま・あきら)
神奈川歯科大学大学院統合医療学講座特任教授。昭和32年、東京生まれ。北海道大学医学部卒業。統合医療SDMクリニック院長。近代西洋医学と補完・代替医療を統合した教育を実践。冷えとり専門医としても活動。著書に『自癒力 自分の力で病気を治す100の方法』など。

 

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