皆さんは、漢方薬と聞くとどんな印象がありますか? 「苦いけど体によさそう」「葛根湯(かっこんとう)は知っているけど……」など、「そもそも漢方ってどんなもの?」と思っている方も多いのではないでしょうか。

そんな基本的な漢方に関する疑問や基礎知識を、漢方の専門家にわかりやすく解説してもらいます。 第72回のテーマは、「爪や髪が弱い『血虚(けっきょ)体質』にぴったりの漢方」です。あんしん漢方(オンラインAI漢方)の薬剤師、碇 純子さんに教えてもらいました。

血虚とは

「よく爪が割れる、髪が切れる」「ふらつきやめまいが気になる」という悩みを抱えているなら、それは体質に原因があるかもしれません。

「血(けつ)」が少なくなることを「血虚」といいます。東洋医学における血とは、血液や、血液によって全身に運ばれる栄養分を指します。この血が不足した状態が続くと、様々な不調につながる恐れがあるため、注意が必要です。

また、血虚の原因は、夜ふかしや過労、無理なダイエットや偏食、精神的なストレスなど多岐に渡ります。月経で出血量が多いタイプも、血虚になりやすいといわれています。

血虚の人にあらわれやすい症状

ここからは、血虚の人にあらわれやすい症状を解説します。それぞれの特徴をみていきましょう。

1.爪や髪の毛のトラブル

血虚は、新陳代謝が低下して消化吸収能力も落ちるので、爪が割れたり、髪の毛が切れたりパサパサになったりなどのトラブルが起きます。肌の乾きやかさつきなども目立ち、肌トラブルの原因にもなります。

2.ふらつき・めまい

血虚は血が不足するので、ふらつきやめまいといった症状もあらわれやすくなります。西洋医学でいう「貧血」と似ていますが、状態は少々異なります。赤血球が不足し、酸素不足で血液が薄くなった状態が貧血です。いっぽう、血虚は血液中の栄養素が不足することを指します。

3.目のかすみ・渇き

東洋医学における五臓のうち、「肝(かん)」と深い関わりがあるのが目です。肝の血の供給、貯蔵が足りない状態が「肝血虚(かんけっきょ)」で、目の滋養が不足し、かすみ目や渇きの原因になります。生活習慣が乱れ、夜ふかしが多い人によくみられます。

4.眠りが浅い・寝つきが悪い

血虚は不眠とも深い関わりがあります。夜なかなか寝つけなかったり、眠りが浅くなったりするのは血の不足により脳に十分な栄養が届きにくくなるからです。寝ている途中で目が覚めてしまう、夢をよくみるなどの特徴があります。

血虚体質の人におすすめの漢方

ここからは、血虚体質の人に適した漢方薬を具体的に3つ解説します。

1.七物降下湯(しちもつこうかとう)

栄養を補い、血液を増やす漢方薬です。血管を広げて血の巡りを良くするはたらきがあり、虚弱な人の高血圧や、それにともなう肩こり、のぼせ、耳鳴り、頭重(ずじゅう)などの改善を目指します。

2.当帰飲子(とうきいんし) 

肌の乾燥や、乾燥にともなって起こる湿疹・皮膚炎の改善が期待できます。体力があまりなく、冷え症で悩んでいる人に対して処方されることが多い漢方薬です。

3.当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

むくみや貧血、めまい、立ちくらみなどが起きやすい人に適した漢方薬です。冷え症、体力虚弱の人にもよく用いられます。生理不順など、女性特有の症状に対しても改善が期待できます。

漢方は体質との相性で正しく選ぼう

人には、それぞれ体の傾向や体質があります。そして、今回解説した血虚のように、体のバランスが崩れると様々な不調や病気の原因になります。

漢方医学では、体質に重点を置いて治療を行うのが特徴です。たとえば、同じ爪や髪の悩みでも、体質の傾向によっては処方が異なる場合があります。

漢方を基礎から学んだ漢方医師や薬剤師であれば正確な判断を行えますが、逆に自己判断で漢方薬を選ぶと、良い効果が出るどころか副作用が出てしまう場合もあります。体質診断から処方まで、すべて漢方のプロにおまかせするのがいちばんです。

「なかなか病院や薬局に行けない」「もう少し身近な漢方サービスはないの?」という方におすすめなのが、あんしん漢方というオンライン漢方サービスです。漢方の専門家と高性能AIを駆使した診断・処方で、漢方薬の購入まで家から出ずにすべて完結します。

もちろん経過観察もプロの漢方医師が診断してくれるうえ、気になることはいつでもオンラインで相談できます。今の時代に適した新しい漢方サービスです。

●あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0147

血虚改善には規則正しい生活も大事

血虚の改善には、早寝早起きやストレスをためないなど、日々の生活習慣を整えることも大切です。毎日の過ごし方から見直して、血虚に悩まされない生活を目指しましょう。

さて、次回は「体全体が渇く『陰虚』におすすめの漢方薬」です。ぜひご覧ください!

<この記事を書いた人>

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師
碇 純子(いかり すみこ)
薬剤師・漢方薬生薬認定薬剤師
/修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。

●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0147

●Medical Health CH:https://www.youtube.com/channel/UC7XLi90xVGs_NnKhowC0G2w

 

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