皆さんは、漢方薬と聞くとどんな印象がありますか? 「苦いけど体によさそう」「葛根湯は知っているけど……」など、「そもそも漢方ってどんなもの?」と思っている方も多いのではないでしょうか。
そんな基本的な漢方に関する疑問や基礎知識を、漢方の専門家にわかりやすく解説してもらいます。 第71回のテーマは、「太り気味の汗っかきの『湿熱』に合う漢方」です。あんしん漢方(オンラインAI漢方)の薬剤師、中田 早苗さんに教えてもらいました。
湿熱とは
「湿気の多い梅雨や暑い夏に体調を崩しやすい」「些細なことでイライラしてしまう」という方は、もしかすると「湿熱(しつねつ)」が原因かもしれません。
湿熱とは、体のなかにある余分な「水分(湿)」と「熱」が合わさり、ドロドロしている状態です。湿熱は「自律神経(気)」や「血液(血)」などの巡りを邪魔し、体の様々な箇所で不調を引き起こすきっかけになります。
湿熱の原因は、主に暴飲暴食です。湿熱体質の人はからいものや脂っこいものを好みますが、代謝が悪いので老廃物を排出できず、体型はやや太り気味の人が多い傾向にあります。
湿熱体質は、悪化すると糖尿病や脂質異常症といった病気につながりやすいので、漢方や養生での体質改善が推奨されます。
湿熱の人にあらわれやすい症状
湿熱の人は、以下のような症状があらわれやすいとされています。
1.太りやすい
湿熱体質の人は、太りやすいのが特徴です。内臓脂肪もつきやすく、悪化すると内臓の病気につながることもあります。
湿熱によって代謝が悪くなっているため、痩せにくいだけでなく、ダイエットしてもリバウンドすることが多い体質です。
2.汗っかき
湿熱は汗のもとなので、湿熱体質の人はほかの体質の人より汗をかきやすいです。余分な熱がたまっているため、暑がりで頭皮にもよく汗をかきます。
また、べたべたして乾きにくい汗をかくので雑菌が繁殖しやすく、においが気になることも多いです。
3.肌荒れ
湿熱はたまった部位で悪さをするので、皮膚にたまると吹き出ものや湿疹が出やすくなります。また、代謝が悪いので吹き出ものや湿疹、傷が化膿しやすいのも特徴です。
4.消化不良
湿熱体質の人は、老廃物を排出しにくいので、消化器系の不調が起きやすいです。尿は量や回数が多く、便は形がなく粘り気があります。おならもよく出て、においも強いことが多いです。
湿熱体質の人におすすめの漢方
ここからは、湿熱体質の人におすすめの漢方と、その効能や理由について解説します。
湿熱体質には、主に下記のような作用がある生薬を含む漢方薬から選びます。
・体の水分の巡りをよくし、余分な水分や老廃物を出す
・胃腸の働きを回復し、消化吸収をよくする
・便通を改善し、余分な脂肪を便と一緒に排出する
1.防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
食べすぎによってたまった体の余分な熱を取り除き、「血(けつ)」や「水(すい)」の代謝を促し、便や汗などで不要物を体外へ排出します。肥満症のほか、湿疹、むくみ、便秘などにも役立ちます。
2.竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)
「気(き)」の停滞によってこもった熱を冷ますことで、下半身の湿熱の改善に働きかけます。排尿時の痛みや残尿感、デリケートゾーンのかゆみやにおいなど、膀胱や生殖器に関するトラブルに用いられます。
3.五淋散(ごりんさん)
膀胱にたまった熱を取り去り、水分代謝をよくすることで排尿を促します。頻尿、残尿感、排尿痛のほか、過労やストレスによって膀胱炎をくり返す場合にも用いられます。
漢方は体質との相性で正しく選ぼう
漢方薬は、体質をあらわす「証(しょう)」に合ったものを選ぶことが大切です。「証」は決まっているものではなく、年齢や生活習慣、季節などによって変わります。
漢方薬が「証」に合っていないと、効果を十分に感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることがあります。漢方薬を購入する際は、漢方の正しい知識を持った医師や薬剤師に相談しましょう。
「病院や漢方薬局に行く時間がない」「もっと気軽に漢方薬を使ってみたい」という人におすすめなのが、スマホで診断、処方、漢方薬の購入が行えるあんしん漢方というオンライン漢方サービスです。最先端のAIと漢方医学の医療チームの連携により、一人ひとりの症状と体質に合った適切な漢方薬を提案します。
また、漢方薬はお手頃価格で自宅まで届くので、漢方を始めるハードルが低いのも魅力です。漢方サポートドクターにオンライン相談ができ、個別サポートも充実しているので、安心してご利用いただけます。
あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0146
湿熱体質は余分な水と熱が原因
今回は、湿熱について解説しました。体に余分な水と熱がたまると、肌荒れや消化不良だけではなく、糖尿病や脂質異常症などの病気の原因になることもあります。ご自身がどんな体質かを把握し、生活習慣の改善や専門家に相談して漢方薬を服用することで、健康的な体を目指しやすくなるでしょう。
さて、次回は「爪や髪が弱い『血虚体質』に効く漢方薬」です。ぜひご覧ください!
<この記事を書いた人>
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