皆さんは、漢方薬と聞くとどんな印象がありますか? 「苦いけど体によさそう」「葛根湯は知っているけど……」など、「そもそも漢方ってどんなもの? 」と思っている方も多いのではないでしょうか。
そんな基本的な漢方に関する疑問や基礎知識を、漢方の専門家にわかりやすく解説してもらいます。 第67回のテーマは、「腰痛に効く漢方薬」です。あんしん漢方(オンラインAI漢方)の薬剤師、中田早苗さんに教えてもらいました。
腰痛が起こる原因とは?
腰周辺を中心に痛みやしびれなどを感じ、非常につらい腰痛。正確には「腰痛」とは病名ではなく、症状のことです。その原因は様々で、生活習慣やストレスなどが絡んでいる場合があります。
今回は、「つらい腰痛の症状を軽減する漢方」と題し、その原因とおすすめの漢方薬をご紹介します。
まずは、東洋医学で考えられている腰痛の原因についてみていきましょう。
1.体の冷え
腎臓、泌尿器、生殖器に関わりエネルギーを蓄える「腎(じん)」が衰えた状態を、「腎虚(じんきょ)」といいます。腎虚になると水分の停滞が目立ち、これは手足が冷える原因になってしまいます。
さらに、腰や下肢に痛みやしびれを感じ、むくんだり排尿障害が起きたりする場合があります。
2.湿気の多さ
体の中だけではなく、外部要因も腰痛の原因になります。とくに、湿気が多い場合、「寒湿(かんしつ)」によって「気(エネルギー)」や「血(けつ、栄養)」の流れが滞り、腰痛が起きる場合があります。
寒湿とは冷えた湿気のことです。もともと冷え症の人はとくに寒湿の影響を受けやすいので要注意です。
3.姿勢の悪さ
日常生活の習慣も、腰痛の原因になることがあります。姿勢の悪さは「気」や「血」の流れの停滞につながります。
とくに、「血」の巡りが停滞すると、「瘀血(おけつ)」という体に栄養素が巡らない状態になり、腰痛以外にも肌荒れなど様々なトラブルの原因になります。
4.過度なストレス
過度なストレスやイライラなども腰痛の原因になります。「肝(かん)」の機能が失調し、「気」の流れが停滞した状態を「肝気鬱結(かんきうっけつ)」といいます。
また、「気」の停滞から「血」の滞りが起きる「気滞血瘀(きたいけつお)」も、腰痛の原因になります。
つらい腰痛を軽減する漢方
ここからは、腰痛症状を軽減する漢方についてご紹介します。
腰痛に効く漢方薬には「急性の腰痛に効くもの」「慢性の痛みに効果が期待できるもの」があります。
腰痛の改善には、鎮痛作用で急性の痛みを和らげるだけでなく、
・血流をよくして痛みを改善する
・体を温めて筋肉をゆるめる
・自律神経を整えて心因性の痛みを和らげる
・加齢による体力の衰えを補い痛みを和らげる
・全身に栄養を届け、関節や筋肉の機能を回復する
といった働きのある生薬を含む漢方薬を選び、根本改善を目指します。
漢方薬は、体の内側から根本改善することで、腰痛をくり返さない体質へと導くのです。
それぞれの漢方の効能や、どんな人におすすめかも併せて解説します。
1.加齢や冷えがある場合には牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
体を温めることで、冷えによる痛みやしびれを取り除く漢方薬で、体内の水分のバランスを改善する作用もあります。四肢が冷えやすい人に適していて、下肢の痛みや腰痛のほか、頻尿などにもよく処方されます。
2.湿気や疲れがある場合には疎経活血湯(そけいかっけつとう)
「気」や「血」の巡りをよくし、余分な水分を取り除いて、痛みを治していく漢方薬です。とくに、痛みやしびれが目立つ場合に処方され、関節痛や腰痛のほか、神経痛に悩んでいる人に適した漢方薬です。
漢方は体質との相性で正しく選ぼう
漢方には「陰・陽」「気・血・水」「肝・心・脾・肺・腎」といった独自のものさしがあり、体質や症状をみながらバランスを整え、不調を治します。
たとえば、同じ腰痛の悩みでも、体質や症状は人それぞれ違うため、その見立てによって漢方薬の効き目も大きく違ってきます。
漢方薬を服用する際は、漢方医師や薬剤師など、漢方薬に精通したその道のプロに任せることが大事です。豊富な漢方知識から最善の漢方薬を選んでくれます。
「いちいち病院や薬局に通う時間がない」「もっと漢方薬を手軽に利用したい」という人におすすめなのが、今注目されているあんしん漢方です。体質診断から漢方薬の処方、購入までをオンライン、非接触で行えます。
あんしん漢方は、漢方ドクターの定期的な診断に加え、最新鋭のAIも駆使している、新時代の漢方サービスです。初回は漢方薬14日分がお試し料金で購入できるコースもあるので、ぜひ一度試してみてください。
●あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0142
それぞれの原因に適した対処法で腰痛を改善する
腰痛には様々な原因があり、その原因に適した解決方法もそれぞれ違います。ご自身の体質の傾向を知ることで、対処の仕方が見えてきます。日々の習慣から見直して、健康的な生活を心がけましょう。
さて、次回は「血の巡りが滞る 『瘀血(おけつ)』に効く漢方」です。ぜひご覧ください!
<この記事を書いた人>
●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0142
●Medical Health CH:https://www.youtube.com/channel/UC7XLi90xVGs_NnKhowC0G2w