「お歯黒」をはがして茹でたソラマメ。薄皮を押せば中の豆が飛び出し、難なく剥くことができる。

ソラマメの旬は4月から6月

この時季ならではの楽しみといえば、ソラマメである。

漢字にすると「空豆」、あるいは「蚕豆」。その由来は、莢(さや)が空に向かって付くからとも、形が蚕(かいこ)に似ていることからともいわれる。日本にもたらされたのは8世紀、中国を経て渡来した、インドの僧が伝えたのだという。意外と知られていないが、中国の調味料である豆板醤(トウバンジャン)は、このソラマメが原料だ。

なんといってもその魅力は、ふくよかな香りだろう。

この香りのおかげで、塩茹(ゆ)でするだけでも絶品の酒肴になる。また、莢ごと魚焼きグリルで真っ黒になるまで蒸し焼きにして、豪快に食べるのもいい。薄い衣をまとわせて、からっと揚げた天ぷらも捨てがたい旨さだ。

ソラマメを楽に剥く方法とは

そのように様々な料理で楽しめるソラマメだが、莢から取り出して薄皮を剥(む)くのを面倒に感じたことはないだろうか。先日、そんなソラマメを楽に剥く方法を教わり、目から鱗(うろこ)が落ちた。

その方法とは、いたって簡単なのである。薄皮に付いている、通称「お歯黒(はぐろ)」と呼ばれる黒い部分を爪などではがす。全部を取り終えたら、沸騰した湯に塩ひとつまみを入れて、薄皮ごと茹でる。かために仕上げたいときは1~2分、柔らかめにしたいときは2~3分で火を止めて、速やかにザルに上げる。そのまま冷まして粗熱(あらねつ)がとれたら、薄皮に包まれた豆を指でピュッと押し出す。
すると、お歯黒の切れ目から、鶯(うぐいす)色の豆が割れることなく、きれいに飛び出すのだ。この方法を知ると、ソラマメを購入する機会が格段に増えるに違いない。旬のソラマメ料理を手軽に作り、ぜひ晩酌のお供にして欲しい。

写真・文/大沼聡子

 

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