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古代、中世、イスラーム世界、日本をはじめとするアジアなど、さまざまな地域・時代の様式を受け継いで発展してきたガラス工芸。

「コアガラス脚杯」 エジプト 前14世紀 MIHO MUSEUM蔵

なかでもアール・ヌーヴォー期のフランスのガラス工芸は、ガラス工芸の到達点とも称される超絶技巧と独特の輝きが見るものを魅了します。そんなアール・ヌーヴォーのガラスを一堂に会した展覧会が『[特別展]アール・ヌーヴォーのガラス ―ガレとドームの自然賛歌―』です。(4月18日~6月11日 於:九州国立博物館)

エミール・ガレ「菊にカマキリ文月光色鉢」 1884-1889年 北澤美術館蔵

本展の見どころを、九州国立博物館の担当学芸員にうかがいました。

「19世紀末から20世紀初めにかけてフランスを中心に起こったアール・ヌーヴォーは、ジャポニスムに代表される異国趣味を背景にした国際的な芸術運動です。植物や昆虫といった自然の造形に触発されたモチーフを、最新の素材や技術を用いて表現した「新しい芸術」は、絵画や工芸、建築など様々な分野で展開され、人々の暮らしを豊かに彩りました。

ドーム兄弟「花瓶《蜘蛛に刺草》」 1910年 北澤美術館蔵

この運動をガラス工芸の分野から牽引した人物こそ、フランス北東部のナンシーで活躍したエミール・ガレとドーム兄弟です。

本展では、古代から連綿と続いてきたガラスの歴史を踏まえつつ、近代ヨーロッパ産業社会に花開いたガレとドームの独創的で自然への敬意に満ちた作品の数々をご紹介します。

エミール・ガレ「魚文高脚杯」 1895-1904年 北澤美術館蔵

今回は、ヨーロッパ美術の中でも特にガラス工芸に光を当てた、当館で初めての特別展です。ヨーロッパ・ガラス工芸の黄金期となった、アール・ヌーヴォーの美しきガラスの世界をぜひご堪能ください」

ドーム兄弟「アネモネ文花瓶」 1900年 北澤美術館蔵

ガレとドームが彩なす光の魔術を、会場でご堪能ください。

【開催要項】
特別展 アール・ヌーヴォーのガラス ―ガレとドームの自然賛歌―
会期:2023年4月18日(火)~6月11日(日)
会場:九州国立博物館
住所:福岡県太宰府市石坂4-7-2 太宰府天満宮横
電話:050・5542・8600(ハローダイヤル)
公式サイト:https://www.kyuhaku.jp
開館時間:9時30分から17時まで(入館は16時30分まで)
     金・土曜日は20時まで夜間開館(入館は19時30分まで)
休館日:毎週月曜日(ただし5月1日は開館)
料金:公式サイト参照
アクセス:公式サイト参照

取材・文/池田充枝

 

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