写真・文/矢崎海里
春を告げる魚のひとつである鰆(さわら)。
俳句では春の季語にもなっています。
冬は関東近辺で獲れる「寒さわら」が、春になると瀬戸内海で水揚げされるものがおいしいとされています。
ふわふわな身とくせのない味わいは、魚が少し苦手という方や、普段食べない方にもおすすめです。
今回はこの季節に取り入れたい、鰆の減塩レシピをご紹介します。
鰆の柚子胡椒あんかけ
【材料】(1人分)
鰆 1切れ
小麦粉 大さじ1/2
てんぷら粉 大さじ1と1/2
水 大さじ2
揚げ油 適量
白菜 1枚
ピーマン 1個
しいたけ 1枚
人参 1/4本
水 100cc
めんつゆ(3倍濃縮) 小さじ1
柚子胡椒 小さじ1/2
水溶き片栗粉 大さじ1
【作り方】
1.鰆は一口大に切り、小麦粉をまぶす。水で溶いたてんぷら粉にくぐらせる。
2.180℃の揚げ油で返しながら5分ほど揚げる。
3.白菜と人参は短冊切りに、ピーマンは細切りに、しいたけは軸を取り薄切りにする。
4.鍋に3と水を加えて、ふたをして弱火で10分ほど加熱する。
5.野菜が柔らかくなったら、めんつゆ、柚子胡椒を加え、水溶き片栗粉でとろみをつける。
6.揚げた鰆の上に5をかけて完成。
柚子胡椒の辛みと風味がアクセントの一品です。
まだまだ寒い季節に温まる和風あんかけで、野菜がたっぷりとれます。
鰆は揚げるというひと手間を加えることで、中はふわふわジューシーに仕上がりますよ。
鶏がらスープとごま油で中華あんかけ、酢とケチャップで甘酢あんかけなど、アレンジもできます。
鰆にはカルシウムの吸収を助けるビタミンDが含まれています。
ビタミンDは日光に当たることで皮膚でも生成されますが、日照時間が短い季節や、あまり日中外に出ない方は特に意識して摂りたい栄養素です。
ビタミンDは脂溶性ビタミンなので、揚げたり油で炒めたりすることで吸収率がアップします。
食塩相当量:1.4g
トースターで簡単! 鰆のねぎ味噌焼き
【材料】(1人分)
鰆 1切れ
長ねぎ 1/4本
★味噌 小さじ1
★みりん 小さじ1
【作り方】
1.長ねぎはみじん切りにして、★の調味料と混ぜる。
2.鰆の水気をキッチンペーパーでふき取り、1をのせる。
3.オーブントースターで火が通るまで10分ほど焼く。
家にある調味料と、トースターで手軽に調理できるレシピです。
ねぎ味噌だれはほかの魚や肉料理など、いろいろと使えるのでぜひ覚えてほしい調味料です。
ねぎと調味料を和えてから時間がたつと水分が出てしまうため、調理する直前に和えるのがおすすめ。
ねぎ味噌だれのみだと水っぽくなってしまうため調味料の作り置きには不向きです。
鰆はくせがなく食べやすい魚で、魚が苦手という方にもおすすめです。
ビタミンDのほか、たんぱく質や良質な脂質も補えます。
西京焼きや照り焼き、塩麹焼きなどさまざまな味付けで楽しむことができます。
食塩相当量:0.9g
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スーパーなどでは手に入りにくいですが、鮮度のよい旬の鰆は生も絶品です。
お寿司屋さんなどで見かけた際には、ぜひ味わってみてくださいね。
文/矢崎海里(やざき・かいり)
管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。おいしく食べて健康になれるごはんを研究中。