9月に入ってぐっと秋らしい気候になってきました。季節の変わり目は特に体調の変化に気をつけなくてはなりませんが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
さて、前回からサイト「漢方デスク」(http://www.kampodesk.com)に読者の方から寄せられる漢方相談の内容をご紹介し、症状や悩みにどのように対応するのかお伝えしていました。
今回は、ひどいむくみにお悩みの方からのご相談です。
「むくみがひどく、受診したところ、下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)による鬱血と診断されました。
医療用の弾性サポーターを着用するようすすめられ着用しようと考えています。
下肢静脈瘤ですがサポーター、ストッキング着用のほかに、何か気を配ることはありますか?
下肢静脈瘤による鬱血に良い漢方などがありましたらお教えください。むくみがかなりつらいです」
(質問者:ムゥ)
これに対して、慶應義塾大学医学部の渡辺賢治先生の回答です。
「下肢静脈瘤は漢方では血の巡りがよくない瘀血(おけつ)の症状と捉えることが多いです。むくみもあるのであれば、血の巡りだけでなく水の巡りも悪いのでしょう」
瘀血タイプですね。生活習慣の改善や適切な漢方薬に教えてください。
「瘀血証は血の巡りが悪くなっている状態です。血の巡りを良くする生活習慣を心がけましょう。
身体を温めたり、リラックスをして気を巡らせることは血を巡らせることにつながります。一方で温めすぎたり汗を大量にかいたりして血を消耗させてしまわないように気をつける必要もあります。そこで下半身を温める、半身浴、足湯、適度な運動がおすすめ生活習慣として挙げられます。
さらに、血の巡りをさらに悪くしてしまう生活習慣を避けた方がよいでしょう。具体的には寒い環境、ストレスを溜め込む、多量の汗をかく、冷たい飲食物の過食が挙げられます。
代表的な漢方薬としては、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)があります。有名な漢方薬で一般薬局でも手に入りますが、服用にあたっては医師•薬剤師のアドバイスに従ってください」