写真・文/三崎由美子
もうすぐ年の瀬。室内の暖房が必須の時期です。暖かい室内で、紅茶やコーヒーを飲みながら、テレビや音楽をゆっくり鑑賞するのも、冬の楽しみのひとつですね。
しかし、ずっと室内にこもっていると、 気づかぬうちに汚れた空気を吸って長時間過ごしてしまい、健康を害してしまうかもしれません。暖かく健全な冬を過ごすためには、何に気を付ければよいのでしょうか。
今回は、カリフォルニア大学バークレー校環境工学部のナザロフ教授が提唱する、室内の空気を健康的に保つための3つの原則をご紹介します。
■1:室内の汚染源を元から絶つ
室内には、空気を汚染する物質の放出源がいくつもあります。クリーニングを怠っているエアコンは温風とともにホコリをまき散らし、メンテナンスされていないガスヒーターや石油ストーブは高濃度の一酸化炭素を放出します。暖房器具以外にも、タバコやろうそく、線香など、室内で燃焼するものはすべて汚染源となり得ます。
こういった室内の空気の汚染源は、こまめに拭き掃除をしたり、フィルタを交換する、もしくは除去するなどして、元から断つことを考えましょう。
■2:湿度を管理してカビの発生を抑える
喘息など呼吸器またはアレルギー疾患のリスクは、室内の湿気と密接な関係があるとされています。米国における喘息の460万件が、家庭における湿気やカビに起因していると推定されているのです。
とくに台所や浴室など、局所的に発生する水蒸気は頻繁に排出し、カビの発生を防ぎましょう。
■3:十分に換気する
そしてもちろん、十分に換気することが、室内の清浄な空気を保つ効果的な方法です。寒い冬の日に、温まった室内で窓を開けるのは勇気がいりますが、定期的に換気しましょう。
ただし換気には、汚れた空気を室内に取り入れてしまわぬように、交通ラッシュや花粉の飛散が多くなる時間帯を避けるようにしましょう。
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以上、室内の健康的な空気を保つために、個人的に実践できる3つの大原則をご紹介しました。どれも基本的なことですが、きちんと対策して、室内でも快適な冬を過ごしたいものですね。
【参照リンク】
※国際室内空気質・室内環境学会発行の専門誌「Indoor Air」
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/ina.12062/full
※仏国立消費研究所(Institut National de la Consommation : INC)発行の雑誌「60 millions de consommateurs」
http://www.60millions-mag.com/2017/03/09/sprays-assainissants-une-pollution-majeure-de-l-air-interieur-11021
写真・文/三崎由美子
通信社パリ勤務、外資系技術開発会社東京勤務を経て、2016年に取材・執筆活動を開始する。欧州と日本を往復しつつ、弓道の修行に打ち込み剣道観戦に情熱を燃やす武道愛好家。