皆さんは、漢方薬と聞くとどんな印象がありますか? 「苦いけど体によさそう」「葛根湯は知っているけど……」など、「そもそも漢方ってどんなもの? 」と思っている方も多いのではないでしょうか。
そんな基本的な漢方に関する疑問や基礎知識を、漢方の専門家にわかりやすく解説してもらいます。 第50回のテーマは、「骨に効く漢方薬」です。あんしん漢方(オンラインAI漢方)の薬剤師、竹田由子さんに教えてもらいました。
「骨活」を始めよう
骨粗鬆症の患者数は日本に約1200万人いると言われています。骨の劣化は自覚症状がなく、骨折するまで自分で気づきにくいものです。
骨が弱くなるとケガのリスクが増えるだけでなく、歩行能力の低下や、寝たきり・要介護につながる可能性もあり、骨の状態が生活の質そのものを左右すると言っても過言ではありません。
最近では、骨の健康をいたわる「骨活」も注目されていて、外見だけでなく中身もきちんとケアする意識が高まっています。
今回は、そんな「骨」に着目し、骨が弱くなる原因や、骨粗鬆症の予防におすすめの漢方薬をご紹介します。
骨が弱くなる原因
骨が弱くなってしまう原因は複数あります。たとえば、閉経後の女性ホルモン低下です。
女性は40代頃から卵巣機能が低下し始め、50歳前後で閉経を迎えます。女性ホルモンのエストロゲンは、新しい骨の生成と古い骨の吸収の両方に関わっていて、閉経後は骨量が減少し、もろくなります。
また、食事や過度なダイエットなどによるカルシウムやマグネシウムの不足、運動不足による骨への負荷の減少など、日々の生活習慣も骨粗鬆症の原因に挙げられます。
骨のケアには漢方がおすすめ
骨粗鬆症に対しては、「血流を改善し、骨を作る役割をもつ骨芽細胞の働きを回復させる」「ホルモンを分泌し、カルシウムの吸収をよくする」「肝臓や腎臓の機能を回復し、ビタミンDを活性化させることでカルシウムの吸収を促進する」という働きをもつ生薬を含む漢方薬を選びます。
また、骨の生成に関わる「腎」の働きを補う漢方薬も使われます。ここからは、骨粗鬆症の予防や改善に役立つ漢方薬をご紹介します。
1.八味地黄丸(はちみじおうがん)
加齢による下半身の衰えにとくにおすすめな漢方薬です。足の末端の冷え性や、頻尿タイプの方に処方される、「腎」の不調のための漢方薬です。
2.牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
八味地黄丸に牛膝(ごしつ)と車前子(しゃぜんし)という生薬を加えた漢方薬です。八味地黄丸同様に「腎」の不調に悩む方におすすめですが、牛車腎気丸は足腰のしびれが気になる方にとくにおすすめです。腰痛、夜間頻尿などにも処方されます。
3.桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)
体を温め、気の流れをよくすることで、神経痛や関節痛などの痛みに働きかけるとともに、水の代謝を改善して冷えやしびれなどにも働きかけます。退行期の骨粗鬆症における骨量の減少を抑制したという研究結果もあります。
漢方は体質との相性で正しく選ぼう
漢方薬の基本理念は、患部だけでなく、体全体のバランスをみて整えることです。病気の原因がハッキリしない場合にも用いられることが多く、西洋医学とは違ったアプローチを行えます。
漢方で重要な部分は、正確な体質の診断と、適切な処方です。そのどれが欠けても本来の漢方薬の効果は出にくく、発揮できません。体質に合っていない場合は、効果が出ないだけでなく、副作用が起こることもあります。
そこで重要になってくるのが、漢方を基礎からしっかり学んだ医師や薬剤師といったプロフェッショナルの存在です。
また、あんしん漢方というオンライン漢方サービスも注目を集めています。あんしん漢方なら、病院や薬局に行かなくてもインターネットを介し、質の高い漢方サービスを受けることができます。
あんしん漢方の特徴のひとつが、最新の漢方医学AIと医師チームの連携による、質の高いマッチング技術です。体質や経過を見つつ漢方薬の変更もできるので、実際の病院と変わりないクオリティのサービスを受けることができます。
●あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0125
骨粗鬆症が気になったら「腎」のケアも
更年期を迎えると、女性ホルモンの低下の影響で骨がもろくなり、ケガや骨粗鬆症の原因にもなります。運動、食事といった生活習慣や、「腎」をケアすることで強く丈夫で健康な骨を作ることができます。
しっかりと「骨活」を実践し、骨の健康意識を高めていきましょう。
さて、次回は「頭皮に効く漢方」です。ぜひご覧ください!
<この記事を書いた人>
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