皆さんは、漢方薬と聞くとどんな印象がありますか? 「苦いけど体によさそう」「葛根湯は知っているけど……」など、「そもそも漢方ってどんなもの?」と思っている方も多いのではないでしょうか。
そんな基本的な漢方に関する疑問や基礎知識を、漢方の専門家にわかりやすく解説してもらいます。第47回のテーマは、「耳の不調に効く漢方薬」です。あんしん漢方(オンラインAI漢方)の薬剤師、竹田由子さんに教えてもらいました。
耳の不調には漢方薬がおすすめ
耳の不調とひと言でいっても、様々な症状と原因があります。そんな耳のトラブル解決には、漢方薬がおすすめです。まずは、耳に起こるトラブルの原因について見ていきましょう。
1.耳鳴り
耳鳴りは、大きく分けて「自覚的耳鳴り」と「他覚的耳鳴り」があります。大抵の場合は自覚症状として感じる自覚的耳鳴りです。耳垢や中耳炎が原因になっていることもありますが、多くの場合は内耳に原因があります。とくに、「ピー」というような高音域が聞こえる場合は内耳の障害を疑いましょう。
他覚的耳鳴りは、ほかの人にも音が聞こえる耳鳴りです。聴診器を当てると血流や筋肉の痙攣が音となって聞こえます。高血圧などが原因です。
また、老人性難聴の場合も耳鳴りの症状を訴える場合があります。大抵は両耳に耳鳴りが起きますが、片側のみの場合もあります。
2.耳がつまる
耳がつまっているような感覚を「耳閉感」といいます。外耳が原因の場合、耳垢や綿棒などの異物がつまる、プールやお風呂で入った水が抜けないなどの理由が考えられます。
中耳に原因がある場合は、風邪による耳管の腫れや、空気圧が抜けなくなる耳管狭窄症、液がたまる滲出性中耳炎、極端なダイエットなどによって起こる耳管開放症などが原因です。
内耳が原因の場合は突発性難聴、低音障害型感音性難聴といった原因があげられます。また、メニエール病の発作時にも耳閉感が起き、耳鳴りやめまいも同時に伴う場合があります。
3. 聞こえにくい
耳が聞こえにくいときは、徐々に聞こえにくくなる場合と、突然聞こえなくなる場合で原因が異なります。
徐々に聞こえにくくなった場合は、慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎、耳硬化症、老人性難聴などが原因としてあげられます。老人性難聴の場合、最初に高音域が聞こえづらくなり、中音域、低音域と順番に聞こえづらくなります。
また、突然耳が聞こえにくくなった場合は、突発性難聴や低音障害型感音難聴、耳管狭窄症、耳管開放症、メニエール病などが原因の可能性があります。突発性難聴は片耳に起きることが一般的ですが、まれに両耳同時に起きる場合もあります。
耳の不調に効く漢方薬
漢方薬のなかには、「耳鳴り」「聴力低下」などに効果が認められているものがあります。また、耳閉感や中耳炎などの治療にも耳鼻科や内科で応用されています。
耳のトラブルには、「血流をよくして内耳や神経の働きをよくする」「水分の循環をよくして内耳のむくみを改善する」「自律神経を整えてストレスによる耳鳴りを改善する」などの作用のある生薬を含む漢方薬を選びます。
また、漢方薬は自然由来の治療薬として、耳鳴りや耳閉感などの症状の回復だけでなく、心と体全体の体質を根本から改善することを得意としています。
ここからは、耳のそれぞれの不調に対応した漢方薬をご紹介しましょう。どういった症状に効き、どんな作用があるのかも解説します。
1.耳鳴りには七物降下湯(しちもつこうかとう)
七物降下湯は「気」と「血」を補い、めぐりを整えることで、高血圧に伴う耳鳴りに用いられます。
2.耳閉感には五苓散(ごれいさん)
五苓散は、水が滞る「水滞」が原因の症状を緩和します。余分な水分を体外に排出することで、メニエール病の症状である耳閉感やめまいに用いられます。
3.聞こえづらさには滋腎通耳湯(じじんつうじとう)
滋腎通耳湯は耳が聞こえづらい状態を改善し、耳の通りをよくします。漢方では耳の異常を「腎」が原因と考えます。腎虚によって体の上部に熱がのぼって、気のめぐりが悪くなっている状態を滋腎通耳湯は緩和します。
漢方は体質との相性で正しく選ぼう
「西洋医学は“病気”を診る」「東洋医学は“病人”を診る」といわれるように、漢方医学は病気の患部だけでなく、体全体のバランスを整え、改善していくという考え方を持っています。
そして、漢方薬は体質との相性も重要です。いくらいい漢方薬でも、体質に合っていないと効き目が出ないどころか副作用が起きる場合もあります。漢方薬は正確な体質診断とセットで初めて効果を発揮します。
漢方薬の効果を実感するには、きちんと漢方医学を学んだ医師や薬剤師の知識が不可欠です。素人判断で漢方薬を選ぶのではなく、漢方のプロにおまかせしましょう。
最近は、あんしん漢方というオンラインで体質診断から漢方薬の処方、購入まで行えるサービスが登場しています。家から出ずに漢方薬を購入できるだけでなく、漢方アドバイザー(医師)による診断も行えるため、体質に合った適切な漢方薬を処方してもらえます。
最新のAIも駆使し、高品質な「オーダーメイド漢方」を実現しています。初回はお得な価格で購入できるコースもあり、お試し利用しやすくなっています。
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耳をいたわり健康的な生活を送ろう!
耳のトラブルは耳鳴りや耳閉感、難聴など、症状によって原因が異なります。漢方薬で体のバランスを改善することで緩和される場合もあるので、漢方の専門家に相談することも選択肢のひとつです。
日常的に耳の健康を意識して、違和感があれば早めに対処しましょう。
さて、次回は「爪に効く漢方薬」です。ぜひご覧ください!
<この記事を書いた人>
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