写真・文/矢崎海里
養殖ほたては一年中流通していますが、天然ものは貝柱が大きくなる夏にかけて旬を迎えます。
生で食べるのはもちろん、焼き、炒め、煮物などさまざまな調理法でおいしく食べられます。
ほたては脂質が少なく、たんぱく質が多く不足しがちな栄養素を補える魚介類です。
あさりや牡蠣などの貝類と比較して、ほたての貝柱は食塩相当量も少ないので、塩分を気にしている方でも取り入れやすいのが特徴。
今回はほたての貝柱を使用した、生・加熱両方の減塩レシピをご紹介します。
ほたてと豆苗のバター醤油パスタ
【材料】(1人分)
ほたて貝柱(刺身用) 2個(30g)
スパゲティ 100g
豆苗 1/3パック
にんにくみじん切り 小さじ1
★醤油 小さじ2
★有塩バター 5g
【作り方】
1.ほたては1/4に切る。豆苗は食べやすい長さに切る。
2.フライパンににんにく、バターを入れ弱火でバターを溶かす。
3.醤油を加え一度火を止める。
4.沸騰したお湯に塩を加えず、スパゲティを表示の分数より1分短く茹でる。
5.火を止めて豆苗を加え、ざるにあけ湯切りをする。
6.茹でたパスタ、ほたてを3に加え、火をつけソースを絡める。
7.ほたてに軽く火が通ったら火を止め、うつわに盛り完成。
ほたて料理の味付けとしてよく使われる、バター醤油味のスパゲティです。
バターのコクとさっと火を通したほたての食感で、飽きずに最後まで食べられます。
豆苗の豆の風味もポイントです。
ほたての貝柱100g(約6個)あたり、たんぱく質は16.9g、脂質は0.3g含まれています。
脂質は日々多く摂ってしまいがちな栄養素であり、たんぱく質は不足すると筋力低下や基礎代謝や免疫機能の低下など、体の機能に不具合が生じることも。
ほたては脂質を抑えながら効率よくたんぱく質を補える食材としておすすめです。
食塩相当量:1.9g
薬味たっぷり ほたての塩麹漬け丼
【材料】(1人分)
ほたて貝柱(刺身用) 3個(50g)
★塩麹 小さじ1
★めんつゆ(3倍濃縮) 小さじ1
★水 小さじ1/2
長ねぎ 1/4本
生姜 1/2かけ
大葉 2枚
白いりごま 適量
【作り方】
1.ほたては横半分に切り、★の調味料に30分漬ける。
2.長ねぎと生姜はみじん切りに、大葉は千切りにする。
3.ごはんの上に1をのせ、いりごまを振る。2をトッピングして完成。
刺身の漬けは醤油ベースのものが多いですが、今回は塩麹とめんつゆを使った変わり漬け丼をご紹介します。
麹の酵素のはたらきで、ほたてのおいしさをより引き出してくれます。
塩麹は塩分が多いイメージですが、少量を上手に使用することで塩分を抑えることができ、料理をよりいっそうおいしく仕上げてくれます。
今回はねぎ・生姜・大葉の香味野菜も添えましたが、卵黄や温泉卵を落として食べるのもおすすめです。
ほたてはくせがなく生でも食べやすいので、寿司ネタとしても人気です。
貝類に多く含まれる「コハク酸」が多く含まれており、うま味が強いのが特徴。
干した貝柱は高値で取引されています。
またあさりやいか・たこなどに含まれるアミノ酸成分、タウリンも多く含んでいます。
肝機能を正常に保つはたらきなどがあり、栄養ドリンクの成分としても知られています。
食塩相当量:1.2g
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今回ご紹介した以外にもフライや炒め物、炊き込みごはんなどさまざまな楽しみ方ができます。
旬のおいしさをたっぷり味わってくださいね。
文/矢崎海里(やざき・かいり)
管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。おいしく食べて健康になれるごはんを研究中。