写真・文/矢崎海里
出世魚として知られ、定番の魚として食卓の登場回数も多い「ぶり」。
成長につれて名前が変わることから出世魚と呼ばれ、縁起物としておせち料理にも用いられます。
産卵に向け脂ののる冬が旬といわれ、この時期の天然ぶりは「寒ブリ」とも呼ばれています。
今回はぶりを使った「わさび照り焼き」と、いなだを使った「なめろう」のレシピをご紹介します。
ぶりのわさび照り焼き
【材料】(1人分)
ぶり 1切れ
片栗粉 大さじ1
★醤油 小さじ1
★みりん 小さじ1
★チューブわさび 1cm
サラダ油 小さじ1
【作り方】
1.ぶりは水気を切り、両面に片栗粉をはたく。
2.★の調味料を合わせておく。
3.フライパンに油をひき、ぶりをやや中火で焼いていく。
4.ぶりに火が通ったら弱火にし、2の調味料を入れ煮絡める。
5.火を止めうつわに盛る。フライパンにたれが余っている場合、ぶりにかけて完成。
定番のぶりの照り焼きも、わさび風味でいつもとひと味違った味わいに。
わさびは加熱することで絡みが和らぐので、風味を楽しむことできます。
辛さを楽しみたい方は、焼き上がりにわさびを添えて食べてみてはいかがでしょうか。
ぶりはビタミンB1・B2を豊富に含む食材です。
栄養素をエネルギーに変換するのに欠かせないビタミンB群は水溶性のため、焼くことで損失を抑えています。
また、ぶりは血中の脂質をコントロールし、中性脂肪低下作用があることで知られているDHA・EPAも豊富に含まれています。
DHAやEPAは魚の脂に含まれているため、脂ののっている旬のぶりは特に栄養を摂取することができます。
食塩相当量:1.1g
薬味たっぷりいなだのなめろう
【材料】(1人分)
いなだ・はまち(刺身用) 40g
長葱 5cm
大葉 3枚
生姜すりおろし 小さじ1
味噌 小さじ1/2
めんつゆ(3倍濃縮) 小さじ1/2
いりごま お好みで
【作り方】
1.長葱・大葉はみじん切りにする。
2.いなだは角切りにし、包丁で叩いていく。
3.ある程度細かくなったら生姜すりおろし、1の薬味を加える。さらに味噌・めんつゆを入れ、叩いていく。
4.薬味・調味料が混ざり、好みの仕上がりになったらいりごまを振って完成。
関東ではいなだ、関西でははまちと呼ばれることの多いぶりの若魚を使ったなめろうのレシピです。
いなだ・はまちには、ぶりの倍以上のビタミンEが含まれています。
ビタミンEは抗酸化作用があり、細胞の老化防止にはたらくほか、血行促進作用があります。
あぶらと相性のよい栄養素のため、ごま油などを回しかけて食べることで、吸収がよく、風味もアップします。
また、生姜・長葱・大葉とたっぷりの薬味を使い、調味料の使用量を抑えています。
他にもみょうがやすだち、ゆずなどの薬味を加え、アレンジするのもおすすめです。
いなだのゴロゴロ感を楽しみたい人は、あまり叩かずに材料と混ぜるだけでもおいしく食べることができます。
そのままお酒のアテに、海苔に包んで食べたり、ご飯に乗せて丼ぶりスタイルなど、お好みのスタイルで召し上がって下さい。
食塩相当量:0.7g
* * *
頭やあらはあら汁、粕汁、ぶり大根などに用いられ、捨てるところなく食べられる魚とも言われているぶり。
栄養満点の旬のこの時期、ぜひさまざまなメニューで味わってみて下さいね。
文/矢崎海里(やざき・かいり)
管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。おいしく食べて健康になれるごはんを研究中。